2005年03月04日

ANNE OF GREEN GABLES L.M.Montgomery

 美しいプリンスエドワード島を舞台に描かれる想像力豊かな少女アンと人々の織りなす物語。
 
 今回、クリフの古典読書会で読みました。そして、松本侑子さんが指摘されていた村岡花子さん訳での脱落箇所を確認しました。第37章、第38章です。

 何とも言えない気持ちですが、今は村岡さんにも何か事情があったのだろうと自分を納得させています。

 この本は、ぜひ、原書で読むことをお薦めします。
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ANNE OF AVONLEA L.M.Montgomery

 クイーン学院を卒業し、アボンリー小学校の教師となったアンの青春。

 教師としてどのように子どもたちに向かい合うか、悩むアンの姿に誠実さを感じます。

 ここでは、ハリソンさんの存在がきいていますね。
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2005年01月12日

"THE STORY GIRL" Lucy Maud Montgomery

Quiet Dision Publishing ISBN: 1576463222

 ストーリー・ガール、語りの技で、魔法のようにわたしたちを違う世界に連れて行ってくれる少女。時を超え、国境を超え――。夢を見ることを思い出させ、物語の力を感じさせ、ありきたりの日常に光と希望を与え、生きる喜びをよみがえらせてくれる。そう、それがストーリー・ガール。

 トロントに住む13歳のベバリーと弟のフェリックスは、父がリオ・デ・ジャネイロに単身赴任したため、いとこたちの住むプリンス・エドワード島のカーライルで暮らすことになる。

 カーライルにはアレックおじさんとジャネットおばさん夫婦と13歳のダン、12歳のフェリシティ、11歳のセシリー、ともに独身のロジャーおじさんとオリヴィアおばさんの家には14歳のセアラ・スタンリーと雇いの少年ピーターが住んでいた。

 セアラは幼いころ母を亡くし、芸術家肌の父は気ままに各地を放浪していた。そのたぐいまれな語りの才能ゆえに「ストーリー・ガール」と呼ばれるセアラといとこたち、友人のセアラ・レイらとともに過ごした夏をベバリーが回想する形で綴られていく。

 モンゴメリにしては珍しい少年の一人称による物語。語り部という名がふさわしいストーリー・ガールを中心に、実際的なダン、料理の上手で横柄なところもある美少女フェリシティ、純真で心優しいセシリー、雇われの身であるが才気を感じさせるピーター、泣き虫セアラ・レイ、そして、生真面目な語り手ベバリー、ひとりひとりの個性がまるでそばにいるかのようにいきいきと描かれている。

 最後の審判の日が来ると大騒ぎをしたり、おもしろい夢を見るために奇抜な方法を考え出したり、子どもたちの日々は驚きと興奮にあふれている。そんな日々を、大人の視点は一切入れずに、子どもたちの目に映るものだけを描いていく。ここでは主役はあくまでも子どもたちであり、大人は背景でしかない。

 ぽっちゃりしているのをフェリシティにからかわれているフェリックスはやせたがり、女の子たちはきれいになりたがり、誰が一番説教が上手か、酸っぱいりんごをいかにこともなげに食べられるかを競ったり、ケンカして仲直りして、ちょっぴりだれかにあこがれてみたり。子どもから大人に移ろうとするひとときの、そのときだけのきらめき。

 大人になったベバリーが、そんな子どものころを「あのころ、ぼくたちは」振り返る場面が随所に現れる。ベバリーとともに「あのころのわたし」を思い出し、きゅんと切なくなる。この物語は、だれにとっても大切な「あのころ」を思い出させてくれる。

「書く少女」エミリーに対し「語る少女」ストーリー・ガールという違いはあるが、エミリーに通じるものがある。実を言うとわたしは、良妻賢母となったアンよりも結婚前までではあるが書くことにこだわったエミリーに惹かれている。語りの技を持たないわたしはストーリー・ガールの語りをいつまでも傍らで聞いていたいと思う。

 テレビドラマ『アヴォンリーへの道』はこの作品を題材としているが、舞台となる場所や人物の設定はドラマオリジナルのものである。見たいような見たくないような、ちょっと複雑な気分である。


原書マラソン 1855/10000
posted by 如月 at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | L.M.Montgomery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月24日

"CHRISTMAS WITH ANNE AND OTHER HOLIDAY STORIES" L.M.Montgomery

Christmas with Anne
 モンゴメリ没後に、モンゴメリ研究者であるリー・ウィルムスハーストさんが編集した短編集。クリスマスと新年にまつわるお話が16編収録されている。アン・シリーズからも"ANNE OF GREEN GABLES""ANNE OF WINDY POPLARS"から各1章がとられている。

 アン・シリーズからの2編以外はいつものモンゴメリより平易で読みやすく、いささか物足りないくらいだが、ほのぼのと温かいクリスマス気分をしっかり味わえる。

 アドベント・カレンダーをあけていくように、お休み前に1つずつ読んでいきたい本である。 

ISBN: 0553571001

アンのクリスマス
邦題『アンのクリスマス』片岡しのぶ訳 暮らしの手帖社


原書マラソン 1480/10000
(211ページより、アン・シリーズの既読分50ページを引き、161ページ加算)
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2004年08月23日

"MISTRESS PAT" L.M.Montgomery

"PAT OF SILVER BUSH"続編。銀の森をこよなく愛するパットことパトリシア・ガーディナーの20歳からの11年間を描く。

 モンゴメリ晩年の作品であるためか、にぎやかで陽気な前半に比べ、後半は別れ、喪失、寂寥、死といった色彩が濃く、モンゴメリの他の作品とは一線を画している感がある。パットは依怙地なほど頑固であり、銀の森を離れたくないばかりに打算的とも言える行動をとることもある。それでもなお、この作品に惹かれるのはなぜだろう。

 何もかもが目まぐるしく変わっていく時代の中にあって、変わらないものを愛し続けるパットに、なくしてはならない大事な何かを教えられているような気がする。

 とは言っても、この作品には教訓的なところはない。銀の森を愛し続けるパット、そんなパットを温かく見守るジュディ、ぎくしゃくすることはあっても強い絆で結ばれた妹レイ、流れ者のようにふらっとあらわれて銀の森に居ついたチリタック、今は亡きパットの親友ベッツに思いを残しながらも対照的な性格の女性と電撃結婚するシド、そして手紙でしか語られないのに強烈な存在感を発揮するヒラリー、それぞれの人物に心を寄せずにいられない。

『パットお嬢さん』はそう何度も読み返した記憶はないのだけど、原書で読んでいるとかなり細かい点まで記憶が蘇ってきたことに驚いた。パットってちょっとねえ、と思いつつ、もしかしたら、最初に読んだときからずっとパットに惹かれていたのかもしれない。そして、パットはいつも心の奥深くにいる、そんな気がしている。
posted by 如月 at 15:38| Comment(0) | TrackBack(0) | L.M.Montgomery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする