"EMILY'S QUEST" Lucy Maud Montgomery
Dell Laurel-leaf ISBN: 0553264931
エミリー・シリーズ第3作。
ニュームーン農場で作家修業に励むエミリー。だが、テディもイルゼも自分の夢を追ってブレア・ウォーターを去る。寂しさを隠せないエミリーの心は、自分を見守り続けてくれた年上の男性に傾いていく。希望と失望、はかない夢。今度こそ明るい光に満たされるかに思われた「寂しい家」で、エミリーが見たものは――。
寂寥感の漂う作品である。タイタニック号の事件を思わせるお話もあり、当時の人々の衝撃が伝わってくる。
だれにでも訪れる「真夜中の3時」。世界にたった一人でいるような気がするとき。自分が何者であるかもわからなくなってしまう。
この巻は読んでいるとつらくなってくる。悲しくて寂しい。ずっとなじんできた人物が嫌いになったりもする。それでも、読み終わると「読んでよかった」と思えるのが救いである。
エミリーは、これでほんとに幸せになれるのかなとも思ってしまうが、これでよかったのかなという気持ちもある。幸せになってほしいと思う。
2006年09月22日
2006年03月08日
"EMILY CLIMBS" Lucy Maud Montgomery
ISBN: 0553262149
エミリー・シリーズ第2作。邦題『エミリーはのぼる』。
エミリー14歳から17歳までの出来事が描かれている。少女からひとりの女性へと歩むエミリー。テディとの幼い恋の場面が心に残る。
「王様にお仕置きした女」の話がおもしろい。これはスコットランド高地訛りで書かれているのか。これだけで短篇として読めそうなほど。のちの『ストーリー・ガール』につながるように思う。
エミリー・シリーズには冬が似合うような気がする。外で風が吹き荒れているとき、暖かい部屋にいる幸せを書いている場面の印象が強いせいだろうか。
このシリーズを読み終わるたび、静かな満足感に満たされる。シリーズに漂うそこはかとない寂寥感に惹かれる。エミリーの頑固さや書くことへのこだわりが他人事に思えないせいかもしれない。アン・シリーズよりモードらしさを感じる。
次作はちょっとドタバタなところがあまり好きではなかったけど、それでもエミリーは大事なお友だち、折を見て読んでみたい。
エミリー・シリーズ第2作。邦題『エミリーはのぼる』。
エミリー14歳から17歳までの出来事が描かれている。少女からひとりの女性へと歩むエミリー。テディとの幼い恋の場面が心に残る。
「王様にお仕置きした女」の話がおもしろい。これはスコットランド高地訛りで書かれているのか。これだけで短篇として読めそうなほど。のちの『ストーリー・ガール』につながるように思う。
エミリー・シリーズには冬が似合うような気がする。外で風が吹き荒れているとき、暖かい部屋にいる幸せを書いている場面の印象が強いせいだろうか。
このシリーズを読み終わるたび、静かな満足感に満たされる。シリーズに漂うそこはかとない寂寥感に惹かれる。エミリーの頑固さや書くことへのこだわりが他人事に思えないせいかもしれない。アン・シリーズよりモードらしさを感じる。
次作はちょっとドタバタなところがあまり好きではなかったけど、それでもエミリーは大事なお友だち、折を見て読んでみたい。
2005年08月03日
"EMILY OF NEW MOON" L.M.Montrgomery
ISBN: 055323370X
エミリー・シリーズの第1作である。どちらかというと、アンよりエミリーの方が好きだとあちこちに書いてはいるものの、さほど何度も読み返したわけではないので、細かいところは記憶から抜け落ちている。それもあって、ほんとうに久しぶりの再会という気持ちで読んだ。
幼い頃母を亡くしたエミリーが大好きな父をも亡くし、孤児になる。母が駆け落ちしたため、絶縁状態になっていた母の一族、マレー家の人々しか身寄りはないが、だれも引き取ろうとはしない。結局、くじで決めることになり、厳格なエリザベスおばさん、穏和なローラおばさん、「詩人」であるいとこのジミーさんの住むニュームーン農場で暮らすことになる。
エミリーが親しくなったのは、偏屈でとおるバンリー医師の娘イルゼ。型破りなイルゼに振り回されながらも、その奔放さに惹かれるエミリー。貧しいけれど野心的なペリー、芸術家肌のテディが加わり、4人はいつしか大切な仲間になっていく。
ナンシーおばさんの家に滞在していたエミリーはある日、浜辺でジャーバックと呼ばれるディーン・プリーストに出会う。
そして、新学期、カーペンター先生が着任する。40代半ばのどこか影のある先生は「詩人になりたい」というエミリーに、これまで書いた原稿を持ってくるように言う。原稿を読んだ先生は――。
個性的な人物が次々登場する。この人物たちのアクの強さがエミリー・シリーズの魅力の一端を成している。
エミリーは孤児、イルゼの母はイルゼが幼いときに従兄弟と出奔、テディは愛息子に異様なほどの執着を見せる母との2人暮らし、ペリーもニュームーン農場で雇われるまではおばさんとの2人暮らしだった。そんな境遇が4人を結びつけたのだろうか。
イルゼのお母さんにまつわるお話では鳥肌が立った。エミリーのおばあさんがスコットランド高地の出身だと書かれているが、ハイランダーには霊能力みたいなものがあるのでだろうか?
書かずにいられないエミリーに、やはりわたしは深い共感を覚える。お金持ちになりたいからとか、有名になりたいからなどではなく、単に書くのが好きだからでもなく、書かずにいられないから書く――そんなエミリーを辛辣かつ温かく見守るカーペンター先生、こんなメンターが欲しい!
エミリーはアンよりも『ストーリーガール』セアラにつながるものがあるように思う。アン・シリーズよりもモードらしさがあるみたいな気がするので、わたしはエミリーとセアラのシリーズが好きだ。
エミリーとこうして再会できたことに感謝♪
モンゴメリの文章はわたしとはとても相性が合うようだ。とても読みやすく、直に心に響いてくるような気がする。1語読むだけでその世界にすっと入り込んでいけるのは、モンゴメリくらいかもしれない。ことモンゴメリに関しては、わたしは原文主義者である。
エミリー・シリーズの第1作である。どちらかというと、アンよりエミリーの方が好きだとあちこちに書いてはいるものの、さほど何度も読み返したわけではないので、細かいところは記憶から抜け落ちている。それもあって、ほんとうに久しぶりの再会という気持ちで読んだ。
幼い頃母を亡くしたエミリーが大好きな父をも亡くし、孤児になる。母が駆け落ちしたため、絶縁状態になっていた母の一族、マレー家の人々しか身寄りはないが、だれも引き取ろうとはしない。結局、くじで決めることになり、厳格なエリザベスおばさん、穏和なローラおばさん、「詩人」であるいとこのジミーさんの住むニュームーン農場で暮らすことになる。
エミリーが親しくなったのは、偏屈でとおるバンリー医師の娘イルゼ。型破りなイルゼに振り回されながらも、その奔放さに惹かれるエミリー。貧しいけれど野心的なペリー、芸術家肌のテディが加わり、4人はいつしか大切な仲間になっていく。
ナンシーおばさんの家に滞在していたエミリーはある日、浜辺でジャーバックと呼ばれるディーン・プリーストに出会う。
そして、新学期、カーペンター先生が着任する。40代半ばのどこか影のある先生は「詩人になりたい」というエミリーに、これまで書いた原稿を持ってくるように言う。原稿を読んだ先生は――。
個性的な人物が次々登場する。この人物たちのアクの強さがエミリー・シリーズの魅力の一端を成している。
エミリーは孤児、イルゼの母はイルゼが幼いときに従兄弟と出奔、テディは愛息子に異様なほどの執着を見せる母との2人暮らし、ペリーもニュームーン農場で雇われるまではおばさんとの2人暮らしだった。そんな境遇が4人を結びつけたのだろうか。
イルゼのお母さんにまつわるお話では鳥肌が立った。エミリーのおばあさんがスコットランド高地の出身だと書かれているが、ハイランダーには霊能力みたいなものがあるのでだろうか?
書かずにいられないエミリーに、やはりわたしは深い共感を覚える。お金持ちになりたいからとか、有名になりたいからなどではなく、単に書くのが好きだからでもなく、書かずにいられないから書く――そんなエミリーを辛辣かつ温かく見守るカーペンター先生、こんなメンターが欲しい!
エミリーはアンよりも『ストーリーガール』セアラにつながるものがあるように思う。アン・シリーズよりもモードらしさがあるみたいな気がするので、わたしはエミリーとセアラのシリーズが好きだ。
エミリーとこうして再会できたことに感謝♪
モンゴメリの文章はわたしとはとても相性が合うようだ。とても読みやすく、直に心に響いてくるような気がする。1語読むだけでその世界にすっと入り込んでいけるのは、モンゴメリくらいかもしれない。ことモンゴメリに関しては、わたしは原文主義者である。
2005年06月16日
"FURTHER CHRONICLES OF AVONLEA" L.M.Montgomery
ISBN:0553213814
訳書では何度も読んでいるが、原書で読むのは初めて。しみじみさせるもの、微笑ましいもの、ちょっと怖いもの、思わず泣いてしまうもの、それぞれ異なる趣を楽しめる短編集である。
結婚を控えた娘が母の反対を押し切り、長い間会えずにいた父を式に招く"Her Father's Daughter"、それぞれに身を立てた弟妹が「落伍者」とされた長兄への思いを語る"The Brother Who Failed"では、しばし涙が止まらなかった。後者には同じプリンス・エドワード島出身の作家アリステア・マクラウドの作品にも通じるものを感じた。
"In Her Selfless Mood"、暗くて重いのでこのお話は嫌いだった。暗くて重いのが好きなわたしでもこのお話はいやだった。冒頭、ナオミの死の場面はおどろおどろしく、その息子クリスのだらしなさは腹立たしく、姉ユーニスの愚かさがもどかしくて――。
だが、今回読んでみて、このお話はとてもよく書けているという気がした。不快ではあり、後味のいいお話でもないが、完成度の高い作品だと思う。これも、とりわけ冒頭の場面はこれは『嵐が丘』かと思ってしまいそうなくらい、そう、吹きすさぶ風の音まで聞こえてきそうなくらい、雰囲気が似ている。だから好きなのかもしれない。
"The Education of Betty"、oldでancientなステファンの年が40歳だというのに驚いた。そう言えば、17、18歳のときの40歳は"old and ancient"に思えたものだった。ちょっとびっくり、そしてかなり複雑な気分である。
最後のお話"Tannis of the Flat"、「平原の美女タニス」という題名と雰囲気だけは覚えていたが、お話の筋はすっかり忘れていた。混血の美女タニスが恋した白人の若者。だが、若者にとってタニスはほんのお遊びの相手にすぎなかった。若者は白人の美女に恋をした。そして――。タニスの暗く激しい情熱に圧倒された。これも『嵐が丘』を思わせる雰囲気を漂わせている。
"CHRONICLES OF AVONLEA"よりこちらの方が好きかもしれない。
収録作品
Aunt Cynthia's Persian Cat
The Materializing of Cecil
Her Father's Daughter
Jane's Baby
The Dream-Child
The Brother Who Failed
The Return of Hester
The Little Brown Book of Miss Emily
Sara's Way
The Son of His Mother
The Education of Betty
In Her Selfless Mood
The Concience Case of David Bell
Only Common Fellow
Tannis of the Flats
訳書では何度も読んでいるが、原書で読むのは初めて。しみじみさせるもの、微笑ましいもの、ちょっと怖いもの、思わず泣いてしまうもの、それぞれ異なる趣を楽しめる短編集である。
結婚を控えた娘が母の反対を押し切り、長い間会えずにいた父を式に招く"Her Father's Daughter"、それぞれに身を立てた弟妹が「落伍者」とされた長兄への思いを語る"The Brother Who Failed"では、しばし涙が止まらなかった。後者には同じプリンス・エドワード島出身の作家アリステア・マクラウドの作品にも通じるものを感じた。
"In Her Selfless Mood"、暗くて重いのでこのお話は嫌いだった。暗くて重いのが好きなわたしでもこのお話はいやだった。冒頭、ナオミの死の場面はおどろおどろしく、その息子クリスのだらしなさは腹立たしく、姉ユーニスの愚かさがもどかしくて――。
だが、今回読んでみて、このお話はとてもよく書けているという気がした。不快ではあり、後味のいいお話でもないが、完成度の高い作品だと思う。これも、とりわけ冒頭の場面はこれは『嵐が丘』かと思ってしまいそうなくらい、そう、吹きすさぶ風の音まで聞こえてきそうなくらい、雰囲気が似ている。だから好きなのかもしれない。
"The Education of Betty"、oldでancientなステファンの年が40歳だというのに驚いた。そう言えば、17、18歳のときの40歳は"old and ancient"に思えたものだった。ちょっとびっくり、そしてかなり複雑な気分である。
最後のお話"Tannis of the Flat"、「平原の美女タニス」という題名と雰囲気だけは覚えていたが、お話の筋はすっかり忘れていた。混血の美女タニスが恋した白人の若者。だが、若者にとってタニスはほんのお遊びの相手にすぎなかった。若者は白人の美女に恋をした。そして――。タニスの暗く激しい情熱に圧倒された。これも『嵐が丘』を思わせる雰囲気を漂わせている。
"CHRONICLES OF AVONLEA"よりこちらの方が好きかもしれない。
収録作品
Aunt Cynthia's Persian Cat
The Materializing of Cecil
Her Father's Daughter
Jane's Baby
The Dream-Child
The Brother Who Failed
The Return of Hester
The Little Brown Book of Miss Emily
Sara's Way
The Son of His Mother
The Education of Betty
In Her Selfless Mood
The Concience Case of David Bell
Only Common Fellow
Tannis of the Flats
2005年05月20日
"THE ALPINE PATH" L.M.Montgomery
Fitzhenry&Whiteside ISBN 1550412949
これは物語ではなく、トロントで発行されていた雑誌に寄稿した記事を集めたものである。プリンス・エドワード島で育った幼少時から結婚してを離れるまでの思い出などが語られている。
はるかスコットランドから移住してきた先祖のお話。苦しい旅の果て、ひととき、妻を休息させるつもりで立ち寄った島から妻が離れようとせず、そのまま居ついてしまうお話は『彼方なる歌に耳を澄ませよ』にもあったような気がする。よくあった話なのだろうと思う。
お化けの森のお話や、飼っていた犬の名がジップだったなどのエピソードには、ここにアンが、エミリーが、セアラがいる、と叫びそうになる。
とりわけ少女時代の思い出がいっぱい詰まっているのは『ストーリー・ガール』である。モンゴメリが一番愛した作品だというのがしみじみ伝わってくる。
新聞社で校正係や雑用もしながら記事を書いていたこと。『赤毛のアン』執筆から出版に至るまでのこと。作家を夢見て奮闘していたモードの姿がいきいきとよみがえる。
ユーアン・マクドナルド牧師と結婚したモードは、新婚旅行の途中、父祖の地スコットランドを訪ねる。その姿は、自分の生まれた家を訪れて記憶にすらない父母を思うアンをしのばせる。
モードはスコットランドではロスリン礼拝堂に足を運び、ロンドンではテンプル教会にも行っている。この2つの場所は、あの有名な本を読まれた方にはおなじみだろう。テレビで見たあの場所にモードもいたのだなと思うと、とても不思議な感じがする。
100ページ足らずのパンフレットのような本ですが、モンゴメリを愛する人には必読の書である。何度も読むことになりそうな気がしている。
これは物語ではなく、トロントで発行されていた雑誌に寄稿した記事を集めたものである。プリンス・エドワード島で育った幼少時から結婚してを離れるまでの思い出などが語られている。
はるかスコットランドから移住してきた先祖のお話。苦しい旅の果て、ひととき、妻を休息させるつもりで立ち寄った島から妻が離れようとせず、そのまま居ついてしまうお話は『彼方なる歌に耳を澄ませよ』にもあったような気がする。よくあった話なのだろうと思う。
お化けの森のお話や、飼っていた犬の名がジップだったなどのエピソードには、ここにアンが、エミリーが、セアラがいる、と叫びそうになる。
とりわけ少女時代の思い出がいっぱい詰まっているのは『ストーリー・ガール』である。モンゴメリが一番愛した作品だというのがしみじみ伝わってくる。
新聞社で校正係や雑用もしながら記事を書いていたこと。『赤毛のアン』執筆から出版に至るまでのこと。作家を夢見て奮闘していたモードの姿がいきいきとよみがえる。
ユーアン・マクドナルド牧師と結婚したモードは、新婚旅行の途中、父祖の地スコットランドを訪ねる。その姿は、自分の生まれた家を訪れて記憶にすらない父母を思うアンをしのばせる。
モードはスコットランドではロスリン礼拝堂に足を運び、ロンドンではテンプル教会にも行っている。この2つの場所は、あの有名な本を読まれた方にはおなじみだろう。テレビで見たあの場所にモードもいたのだなと思うと、とても不思議な感じがする。
100ページ足らずのパンフレットのような本ですが、モンゴメリを愛する人には必読の書である。何度も読むことになりそうな気がしている。
2005年05月12日
『アンの村の日々 正・続』上坪正徳訳 篠崎書林 L・M・モンゴメリ
本サイトを開設した直後に購入したのですが、途中まで読んで、やっぱり原書で読もうかなと気を変えて、そのままになっていました。
このところ、ミステリにとっぷり浸って殺人ばかり見ているので、ちょっと気持ちが乾いてきました。しっとりとしたモンゴメリが懐かしくなり、戻ってきました。
半ばまで読んでいましたが、細かい筋は忘れていたので、新鮮な気持ちで読めました(^^;) モンゴメリの作品、とりわけ短編のストーリーには幾つかパターンがあるので展開が読めるものも少なくないのですが、それでも読ませるのはやはり描写の妙でしょうか。
最後に意外な結末が待っている『思い出への道』
どろどろとした愛執を描いた『仕返し』
幻想的な『妄想家』
ほのぼのとしているけどちょっぴりビターな『無駄足』
視点の妙を感じさせる『ほら、花嫁がやってきた!』
割れ鍋に綴じ蓋の感もある『鍋とやかん』(ほんとはロマンチックなお話なのですが(^^;)
理論と現実の乖離とそれに振り回される『ペネロペさんの育児』
何とも言えないほど凄みのある『ありふれた女』 モンゴメリ=少女小説という固定観念しかない方が読まれたら、びっくりされるのでは?
どれも秀逸です。
『村の日々』には短編集のおもしろさだけでなく、ブライス一家の姿があちこちに見え隠れしているおもしろさもありますね。ファンとしてはナミダものの嬉しさです。
アンの子どもたちは第1次世界大戦を生き、孫は第2次世界大戦の時代に生きている──不思議な感慨を覚えます。
このところ、ミステリにとっぷり浸って殺人ばかり見ているので、ちょっと気持ちが乾いてきました。しっとりとしたモンゴメリが懐かしくなり、戻ってきました。
半ばまで読んでいましたが、細かい筋は忘れていたので、新鮮な気持ちで読めました(^^;) モンゴメリの作品、とりわけ短編のストーリーには幾つかパターンがあるので展開が読めるものも少なくないのですが、それでも読ませるのはやはり描写の妙でしょうか。
最後に意外な結末が待っている『思い出への道』
どろどろとした愛執を描いた『仕返し』
幻想的な『妄想家』
ほのぼのとしているけどちょっぴりビターな『無駄足』
視点の妙を感じさせる『ほら、花嫁がやってきた!』
割れ鍋に綴じ蓋の感もある『鍋とやかん』(ほんとはロマンチックなお話なのですが(^^;)
理論と現実の乖離とそれに振り回される『ペネロペさんの育児』
何とも言えないほど凄みのある『ありふれた女』 モンゴメリ=少女小説という固定観念しかない方が読まれたら、びっくりされるのでは?
どれも秀逸です。
『村の日々』には短編集のおもしろさだけでなく、ブライス一家の姿があちこちに見え隠れしているおもしろさもありますね。ファンとしてはナミダものの嬉しさです。
アンの子どもたちは第1次世界大戦を生き、孫は第2次世界大戦の時代に生きている──不思議な感慨を覚えます。
2005年04月05日
"THE GOLDEN ROAD" L.M.Montgomery
A Quiet Vision Large Print Classic ISBN 1576463184
"THE STORY GIRL"続編。一番入手しやすかったのがLarge Print版だったため、326ページとページ数が多くなってしまった。ノーマルだと200ページちょっとだろうか。
お話は11月に始まり、クリスマス、新年を経て季節を一巡りする。キング農場の仲間たちは雑誌を創刊し、それぞれ担当を決めて記事を執筆する。その合間にも、耳の聞こえない大おばさんが突然訪ねてきたり、親戚の家を訪問した帰り吹雪にあって魔女かとうわさされているペグ・ボウエンの家に飛び込んだり、ストーリー・ガールの愛猫パディが失踪したり――。キング農場の生活は波瀾万丈だ。
吹雪にあってから、セシリーの体調がすぐれないのが気にかかる。どこか『若草物語』のベスを偲ばせる心優しいセシリー。どうか元通りの元気さを取り戻してほしいと願う。
オリビアおばさんの結婚や学校での演芸会、そしてリード先生のロマンス。さまざまな出来事を経験しつつ、時は過ぎ、ストーリー・ガールは15歳になった。大人の世界に足を踏み入れていくセアラ。セアラが遠くに行ってしまうかのように仲間たちは感じ始めている。そして、別れのときが近づく。
ラスト近く、ベバリーがブレアおじさん、ストーリー・ガールと散策する場面の美しいこと! そして、ストーリー・ガールの予言。過去と現在、そして未来が交錯する不思議なひととき。
続きを読む
"THE STORY GIRL"続編。一番入手しやすかったのがLarge Print版だったため、326ページとページ数が多くなってしまった。ノーマルだと200ページちょっとだろうか。
お話は11月に始まり、クリスマス、新年を経て季節を一巡りする。キング農場の仲間たちは雑誌を創刊し、それぞれ担当を決めて記事を執筆する。その合間にも、耳の聞こえない大おばさんが突然訪ねてきたり、親戚の家を訪問した帰り吹雪にあって魔女かとうわさされているペグ・ボウエンの家に飛び込んだり、ストーリー・ガールの愛猫パディが失踪したり――。キング農場の生活は波瀾万丈だ。
吹雪にあってから、セシリーの体調がすぐれないのが気にかかる。どこか『若草物語』のベスを偲ばせる心優しいセシリー。どうか元通りの元気さを取り戻してほしいと願う。
オリビアおばさんの結婚や学校での演芸会、そしてリード先生のロマンス。さまざまな出来事を経験しつつ、時は過ぎ、ストーリー・ガールは15歳になった。大人の世界に足を踏み入れていくセアラ。セアラが遠くに行ってしまうかのように仲間たちは感じ始めている。そして、別れのときが近づく。
ラスト近く、ベバリーがブレアおじさん、ストーリー・ガールと散策する場面の美しいこと! そして、ストーリー・ガールの予言。過去と現在、そして未来が交錯する不思議なひととき。
続きを読む
2005年03月24日
L・M・モンゴメリとスコットランド (メモ)
1874年、プリンス・エドワード島に生まれる。父ヒュー・ジョン・モンゴメリ、母クレアラ・ウルナー・モンゴメリ、旧姓マクニール。
2歳になる前に母を亡くし、母方の実家であるマクニール農場で、祖父アレグザンダー、祖母ルーシーに育てられる。教師となった後、ハリファックスのダルハウジー大学で英文学の特別コースを履修したり、わずか1年にも満たなかったが、新聞社で校正兼雑用係として働いた。1911年7月4日、36歳の時、ユーアン・マクドナルド牧師と結婚。牧師の妻としてオンタリオ州南部リースクデール、ノーヴァルで暮らし、1942年、トロントで死去。
「初代のモンゴメリは1769年、初代のマクニールは1770年もしくは1772年にスコットランドから」この地にやってきた。『運命の紡ぎ車』10ページ
「ユーアンの父アレグザンダーは、1841年に7歳でカナダに渡ったのであった。母のクリスティーン・カメロンはプリンス・エドワード島の生まれであったが、彼女の父ユーアン・カメロンはスカイ島の出身である。」『運命の紡ぎ車』130ページ
※スカイ島はスコットランド北西部ヘブリデス諸島中にある島。
夫はユーアン・マクドナルド牧師。モンゴメリは旧姓。
『青い城』の舞台となったバラもオンタリオ州南部にある。
2歳になる前に母を亡くし、母方の実家であるマクニール農場で、祖父アレグザンダー、祖母ルーシーに育てられる。教師となった後、ハリファックスのダルハウジー大学で英文学の特別コースを履修したり、わずか1年にも満たなかったが、新聞社で校正兼雑用係として働いた。1911年7月4日、36歳の時、ユーアン・マクドナルド牧師と結婚。牧師の妻としてオンタリオ州南部リースクデール、ノーヴァルで暮らし、1942年、トロントで死去。
「初代のモンゴメリは1769年、初代のマクニールは1770年もしくは1772年にスコットランドから」この地にやってきた。『運命の紡ぎ車』10ページ
「ユーアンの父アレグザンダーは、1841年に7歳でカナダに渡ったのであった。母のクリスティーン・カメロンはプリンス・エドワード島の生まれであったが、彼女の父ユーアン・カメロンはスカイ島の出身である。」『運命の紡ぎ車』130ページ
※スカイ島はスコットランド北西部ヘブリデス諸島中にある島。
夫はユーアン・マクドナルド牧師。モンゴメリは旧姓。
『青い城』の舞台となったバラもオンタリオ州南部にある。
2005年03月04日
"RILLA OF INGLESIDE" L.M.Montgomery
アン・シリーズ最終作。(シリーズに入っていない場合もある)邦題『アンの娘リラ』。
アンとギルバートの末娘リラの青春は、両親の青春とは全く違ったものだった。
初めてのダンス・パーティで、ほのかな思いを寄せていたケネスと踊るリラは幸せいっぱいだった。その夜、第一次世界大戦勃発。
15歳から19歳までの少女が一番輝く季節を戦時下で過ごす中で、リラは一人の女性へと成長していく。
兄や幼友だちが従軍していったある日、ひょんなことからリラは父が従軍し、母を亡くした赤ん坊を引き取ることになる。スープ鍋に入れて連れて帰った赤ん坊を、育児書と首っ引きで育てるリラ。自他共に認める赤ん坊嫌いだったリラも、いつしかジムスという愛称の赤ん坊に愛情を抱くようになる。
アン・シリーズの中で一番、もしかしたら"ANNE OF GREEN GABLES"より好きかもしれない。
きれいだけど、ちょっと軽薄なところもあったリラが、悲しみや苦難を乗り越えて成長していく姿に打たれる。
第一次成果大戦下の生活がいきいきと描かれ、フィクションではあるが、生活記録としても価値があるのではないかと思う。
従軍した飼い主ジェムを駅で待ち続ける忠犬マンディ、天使のような心の少年ブルース、報われることのない思いを抱いて生きていくユナたちが胸を熱くさせる。
今回、読み終えたとき、イラクへの攻撃が始まるかもしれないという状況にあった。いくら大義のためとは言っても、しょせん戦争は殺し合いである。たとえ、勝利したとしても、戦争が人の心に癒しがたい傷を残すのは、いつの時代も同じだ。戦争とは何かを改めて考えさせる作品であった。
アンとギルバートの末娘リラの青春は、両親の青春とは全く違ったものだった。
初めてのダンス・パーティで、ほのかな思いを寄せていたケネスと踊るリラは幸せいっぱいだった。その夜、第一次世界大戦勃発。
15歳から19歳までの少女が一番輝く季節を戦時下で過ごす中で、リラは一人の女性へと成長していく。
兄や幼友だちが従軍していったある日、ひょんなことからリラは父が従軍し、母を亡くした赤ん坊を引き取ることになる。スープ鍋に入れて連れて帰った赤ん坊を、育児書と首っ引きで育てるリラ。自他共に認める赤ん坊嫌いだったリラも、いつしかジムスという愛称の赤ん坊に愛情を抱くようになる。
アン・シリーズの中で一番、もしかしたら"ANNE OF GREEN GABLES"より好きかもしれない。
きれいだけど、ちょっと軽薄なところもあったリラが、悲しみや苦難を乗り越えて成長していく姿に打たれる。
第一次成果大戦下の生活がいきいきと描かれ、フィクションではあるが、生活記録としても価値があるのではないかと思う。
従軍した飼い主ジェムを駅で待ち続ける忠犬マンディ、天使のような心の少年ブルース、報われることのない思いを抱いて生きていくユナたちが胸を熱くさせる。
今回、読み終えたとき、イラクへの攻撃が始まるかもしれないという状況にあった。いくら大義のためとは言っても、しょせん戦争は殺し合いである。たとえ、勝利したとしても、戦争が人の心に癒しがたい傷を残すのは、いつの時代も同じだ。戦争とは何かを改めて考えさせる作品であった。
"RAINBOW VALLEY" L.M.Montgomery
邦題『虹の谷のアン』。翻訳では読んでいますので、読みながら少しずつ思い出しています。
この本は、村岡さん訳ではほかの本と比べて薄いのですが、原書の厚さはほかのとほとんど変わりません。どこか省略されているのかと思いつつ読んでいますが、いまのところよくわかりません。少しずつ縮めているのかな?
牧師館の子どもたちが魅力的です。母を亡くし、父はいつも説教や思想の世界にいて、子どもたちを愛してはいるけれど、実際の世話は老いたおば任せ。それでも、この子たち、父の愛情を信じてまっすぐ育っています。子どもがみずから育つ力を信じたくなる作品です。
最後の方は『リラ』でのみんなのことが思い浮かび、胸がいっぱいになってしまいました。
フェイスとリダのお話って村岡さん訳にありましたっけ? 古本屋を2軒回ったのですが、『虹の谷』はなかったので、訳書が手元にないのです。わたしが忘れているだけかもしれませんが。
クローゼットの母の服に顔を寄せるユナは、父の看護のためワシントンに行った母を偲ぶベスを思い起こさせました。音楽好きだし、やっぱり似てますね。
この本は、村岡さん訳ではほかの本と比べて薄いのですが、原書の厚さはほかのとほとんど変わりません。どこか省略されているのかと思いつつ読んでいますが、いまのところよくわかりません。少しずつ縮めているのかな?
牧師館の子どもたちが魅力的です。母を亡くし、父はいつも説教や思想の世界にいて、子どもたちを愛してはいるけれど、実際の世話は老いたおば任せ。それでも、この子たち、父の愛情を信じてまっすぐ育っています。子どもがみずから育つ力を信じたくなる作品です。
最後の方は『リラ』でのみんなのことが思い浮かび、胸がいっぱいになってしまいました。
フェイスとリダのお話って村岡さん訳にありましたっけ? 古本屋を2軒回ったのですが、『虹の谷』はなかったので、訳書が手元にないのです。わたしが忘れているだけかもしれませんが。
クローゼットの母の服に顔を寄せるユナは、父の看護のためワシントンに行った母を偲ぶベスを思い起こさせました。音楽好きだし、やっぱり似てますね。
"PAT OF SILVER BUSH" L.M.Montgomery
銀の森農場のパットは、家族と、家族同然のようなジュディに愛され、銀の森と家族をかけがえのないものとして愛している。家族以外に心を許しているのは、母と離れて暮らすヒラリーことジングルと、長い家に住む病弱で夢見がちな少女ベッツだけ。そんなパットの回りにも、変化は容赦なく訪れる。そんな中でパットは、子ども時代に別れを告げ、大人への階段を歩み始める。
このお話には独特の趣があって、わたしは好きなんですけど、今の時代には合わないのかな。パットみたいに、自分の家があんなに好きになれるのって、すばらしいと思います。自分の属する場所をいとしいって思えるのは、幸せだろう。
月の光を浴びながらnakedで踊るパットって好き。Anneの読者はちょっとびっくりするかも。この作品はIrishぽいのでしょうか。ほんとに妖精がいるような気がしてきます。パットって妖精ぽいな。
だけど、自分のことを醜いと思いこんだり、きれいな従姉妹をちょっと妬んでみたり……妖精ぽいけど、どこにでもいる女の子というところも好きです。
どんどん大人っぽくなっていくパット。でも、おとなになるということは変わっていくということ。
変化を嫌いながらも、パットは、しっかりと順応していっていきます。ひとりで流れに逆らっているわけでもなく、自分は自分としてしっかりしたものを持っている。しなければならないこと、してはいけないことをちゃんとわきまえていますね。
このお話って、けっこうbitter tasteです。"me jewel"と呼ばれ、愛情いっぱいに育つパットと、実の母にも愛されていないジングルと。23章の最後の方を読んでから、泣けて泣けてしょうがない……。こんなに深いお話だったことを忘れてました。
変わらないものを背景として、変わっていくものを描いています。誕生、死、出会い、別れ……。ジュディのアイルランド訛りに最初はへこたれそうでしたが、読むにつれ、まるで子守唄のように響いてきました。何とも言えないくらい、独特の趣のある物語ですね。哀調を帯びた深い物語、そんな気がします。
モンゴメリがパットに託したのは何だったのか、これからゆっくり考えてみたいと思っています。
このお話には独特の趣があって、わたしは好きなんですけど、今の時代には合わないのかな。パットみたいに、自分の家があんなに好きになれるのって、すばらしいと思います。自分の属する場所をいとしいって思えるのは、幸せだろう。
月の光を浴びながらnakedで踊るパットって好き。Anneの読者はちょっとびっくりするかも。この作品はIrishぽいのでしょうか。ほんとに妖精がいるような気がしてきます。パットって妖精ぽいな。
だけど、自分のことを醜いと思いこんだり、きれいな従姉妹をちょっと妬んでみたり……妖精ぽいけど、どこにでもいる女の子というところも好きです。
どんどん大人っぽくなっていくパット。でも、おとなになるということは変わっていくということ。
変化を嫌いながらも、パットは、しっかりと順応していっていきます。ひとりで流れに逆らっているわけでもなく、自分は自分としてしっかりしたものを持っている。しなければならないこと、してはいけないことをちゃんとわきまえていますね。
このお話って、けっこうbitter tasteです。"me jewel"と呼ばれ、愛情いっぱいに育つパットと、実の母にも愛されていないジングルと。23章の最後の方を読んでから、泣けて泣けてしょうがない……。こんなに深いお話だったことを忘れてました。
変わらないものを背景として、変わっていくものを描いています。誕生、死、出会い、別れ……。ジュディのアイルランド訛りに最初はへこたれそうでしたが、読むにつれ、まるで子守唄のように響いてきました。何とも言えないくらい、独特の趣のある物語ですね。哀調を帯びた深い物語、そんな気がします。
モンゴメリがパットに託したのは何だったのか、これからゆっくり考えてみたいと思っています。
『丘の家のジェーン』L・M・モンゴメリ
トロントの高級住宅街にある豪邸に厳格な祖母と祖母の言いなりになっている母とともに住むジェーン。息の詰まるような毎日を過ごすジェーンの元に、死んだと聞かされていた父から手紙が届く。そこには、この夏休み、自分が住むプリンス・エドワード島にジェーンを寄越してほしいと書かれていた。気が進まぬまま、ジェーンは島に向かう。
島でジェーンはさまざまな人に出会い、成長する。トロントに帰ったジェーンは、それまでのジェーンとはまったく違っていた。そこへ、ある知らせが届き、ジェーンは……。
村岡花子さんの翻訳で読み、映画も見ましたが、細部はすっかり忘れていました。そうか、そういうお話だったのか、と納得しました。ジェーンという少女の背景にある、壊れてしまったかに見えるロマンス――。
モンゴメリの作品にしては珍しく、トロントに住む少女が主人公です。重厚ではあるけれども、よそよそしい邸宅の雰囲気が、それでもとても魅力的に描かれています。
でも、やっぱり、彼女の本領が発揮されるのは、プリンス・エドワード島ですね。温かくてユニークな島人たちも素敵です。
とても質のいい小説を読んだ満足感に浸っています。モンゴメリの作品すべてに言えることですが、この作品も児童文学と呼ぶのはちょっと違うような気がしています。
最初に読んだときは、ジェーンしか目に入ってなくて、お母さんのことは頼りないとしか思っていませんでした。でも、今度は、背景のロマンスの方が気になってなりませんでした。 モンゴメリはこの続きを書こうとしていたそうです。どんなふうに書こうとされていたのか……。書いてほしかったですね。
"JANE OF LANTERN HILL" L.M.Montgomery
島でジェーンはさまざまな人に出会い、成長する。トロントに帰ったジェーンは、それまでのジェーンとはまったく違っていた。そこへ、ある知らせが届き、ジェーンは……。
村岡花子さんの翻訳で読み、映画も見ましたが、細部はすっかり忘れていました。そうか、そういうお話だったのか、と納得しました。ジェーンという少女の背景にある、壊れてしまったかに見えるロマンス――。
モンゴメリの作品にしては珍しく、トロントに住む少女が主人公です。重厚ではあるけれども、よそよそしい邸宅の雰囲気が、それでもとても魅力的に描かれています。
でも、やっぱり、彼女の本領が発揮されるのは、プリンス・エドワード島ですね。温かくてユニークな島人たちも素敵です。
とても質のいい小説を読んだ満足感に浸っています。モンゴメリの作品すべてに言えることですが、この作品も児童文学と呼ぶのはちょっと違うような気がしています。
最初に読んだときは、ジェーンしか目に入ってなくて、お母さんのことは頼りないとしか思っていませんでした。でも、今度は、背景のロマンスの方が気になってなりませんでした。 モンゴメリはこの続きを書こうとしていたそうです。どんなふうに書こうとされていたのか……。書いてほしかったですね。
"JANE OF LANTERN HILL" L.M.Montgomery
"KILMENY OF THE ORCHARD" L.M.Montgomery
邦題『果樹園のセレナーデ』いいタイトルですね。これは、村岡さん訳も持っているのですが、あまり読み返していないので、細かいところは忘れています。
大学を卒業したばかりのエリックは、父のあとを継いで実業界に入ろうとしていた。そこへ、PE島で校長を務めている友人から手紙が届いた。病気で倒れたので、しばらくの間、代理を頼みたいという内容だった。
PE島に赴任したエリックは、ある宵、ひと気のない果樹園でヴァイオリンを奏でる美少女に出会う。キルメニーという名のその少女は、口がきけなかった――。
1章で、見事に伏線が張られています。各章が短いので(10ページ未満)ちょっと時間があいたときに気軽に読めます。
描写が美しく、読みやすくて展開もおもしろいのですが、設定がちょっとわたしの趣味に合いません。
1.主人公が美男美女である←縁のない世界である
2.男が無垢な乙女に愛の何たるかを教えるという意識があるのがいや←源氏若紫的設定ですね。こういう男はよくいるようですが、ちょっと……。何となくいやです。
まあ、でも、さらりと読んで、あとくちもよさそうなので、よしといたしましょう。現代のおとぎ話ということで。わたしにしては、辛口ですね(^^;)
何はともあれ、最後はめでたしめでたしでした。 キルメニーの物語より、キルメニーの母であるマーガレットの物語の方が劇的だと思いました。こちらをメインにした方がおもしろかったりして(^^;)
ゴードン家の人々のキャラって、物語になりそうですね!
"ANNE'S HOUSE OF DREAMS" L.M.Montgomery
夢の家でのアンとギルバートの新婚生活と、2人を見守る人々。灯台を守るジム船長。男とメソジストが嫌いなコーネリアさん。悲劇的な半生を送ってきた孤独な美女レスリー。ジム船長の生活手帳をもとに小説を書くケネス・フォード。
アンとギルバートには可愛い女の子が生まれるが……。
自分の殻を押し破って、堰を切ったように語るレスリー。悲劇を超えて結ばれるアンとレスリーの友情。そして、レスリーの心の中で密かに花開いた遅咲きの薔薇のような愛、そのゆくえは……。
懐かしいお友だちとの旧交を確かめるかのように、ゆったりと読めました。誤算だったのはジム船長の言葉のなまり。なかなか慣れませんでした。これだけちょっとつらかったですね。
邦題『夢の家のアン』。
アンとギルバートには可愛い女の子が生まれるが……。
自分の殻を押し破って、堰を切ったように語るレスリー。悲劇を超えて結ばれるアンとレスリーの友情。そして、レスリーの心の中で密かに花開いた遅咲きの薔薇のような愛、そのゆくえは……。
懐かしいお友だちとの旧交を確かめるかのように、ゆったりと読めました。誤算だったのはジム船長の言葉のなまり。なかなか慣れませんでした。これだけちょっとつらかったですね。
邦題『夢の家のアン』。
"CHRONICLES OF AVONLEA" L.M.Montgomery
細切れにしか時間が空きそうにないときは短編集を読む。モンゴメリの短編は人物描写が巧みで切れがよく、温かいけれども、ちょっぴりほろ苦い、そんな持ち味をじっくり味わっている。
"Old Lady Lloyd"古びた屋敷に住む偏屈なロイド老淑女。けちんぼだとみんなに思われているけれど、実は食べ物にも事欠く生活をしている。いつもシルクのドレスを着ているのは気取っているからではなく、新しい服を買うお金がないから。だけど、プライドの高い老淑女は、そんな気配をみじんも見せない。
そんな老淑女は、ある日、近くに下宿している若い音楽の教師を見てはっとする。その瞳、その髪、その微笑み……。かつて婚約しながらもささいなことで喧嘩別れ(これはモンゴメリのお話にはよくあるパターン)した、今は亡き恋人の娘だった。老淑女はその娘の喜ぶ顔が見たくてあることを考える……。
ロイド老淑女は大好きな作品である。プライドが高くて偏屈で、だけど心の中には熱いものがある。なにより美しい老女というところがいい。何度も読み返したくなるお話である。
"Each in his own Tongue" フェリックス少年とバイオリンと祖父のお話の69ページ
"Speak to the world in your own tongue through it,with truth and sincerity." どんな言葉で、何を語りかけようとしているのか? と自分に問うている。
ナンおばさんと小さなジョスリン、このお話は最初に読んだときから大好きだった。優しさにあふれたお話、やっぱり泣いてしまった。
ルシンダ・ペンハローのちょっと笑えるお話のあとは"Old Man Shaw's Girl"。
ずっと以前に読んだきりなので、読み始めると思い出すけど、すじを忘れているお話もある。中学生の時に読んでいいなと思い、いまでも感動するお話(『小さなジョスリン』)、今の方がおもしろみがわかるお話(『ルシンダ、口を開く』)いろいろあるけど、こうして長くおつき合いできる本っていい!
"Pa Sloane's Purchase" オークション・フリークのスローン父ちゃんが競売で買ってきたものは?
"Each in His Own Toungue"で苦悩していたレオナルド牧師も一役買う"The Courting of Prissy Strong"。大学生のアンもダイアナとともに登場している。
"Old Lady Lloyd"古びた屋敷に住む偏屈なロイド老淑女。けちんぼだとみんなに思われているけれど、実は食べ物にも事欠く生活をしている。いつもシルクのドレスを着ているのは気取っているからではなく、新しい服を買うお金がないから。だけど、プライドの高い老淑女は、そんな気配をみじんも見せない。
そんな老淑女は、ある日、近くに下宿している若い音楽の教師を見てはっとする。その瞳、その髪、その微笑み……。かつて婚約しながらもささいなことで喧嘩別れ(これはモンゴメリのお話にはよくあるパターン)した、今は亡き恋人の娘だった。老淑女はその娘の喜ぶ顔が見たくてあることを考える……。
ロイド老淑女は大好きな作品である。プライドが高くて偏屈で、だけど心の中には熱いものがある。なにより美しい老女というところがいい。何度も読み返したくなるお話である。
"Each in his own Tongue" フェリックス少年とバイオリンと祖父のお話の69ページ
"Speak to the world in your own tongue through it,with truth and sincerity." どんな言葉で、何を語りかけようとしているのか? と自分に問うている。
ナンおばさんと小さなジョスリン、このお話は最初に読んだときから大好きだった。優しさにあふれたお話、やっぱり泣いてしまった。
ルシンダ・ペンハローのちょっと笑えるお話のあとは"Old Man Shaw's Girl"。
ずっと以前に読んだきりなので、読み始めると思い出すけど、すじを忘れているお話もある。中学生の時に読んでいいなと思い、いまでも感動するお話(『小さなジョスリン』)、今の方がおもしろみがわかるお話(『ルシンダ、口を開く』)いろいろあるけど、こうして長くおつき合いできる本っていい!
"Pa Sloane's Purchase" オークション・フリークのスローン父ちゃんが競売で買ってきたものは?
"Each in His Own Toungue"で苦悩していたレオナルド牧師も一役買う"The Courting of Prissy Strong"。大学生のアンもダイアナとともに登場している。
"THE BLUE CASTLE" L.M.Montgomery
ISBN 0-555-28051-1
ヴァランシーは29才、愛したことも愛されたこともなく、人を型にはめたがる家族や親戚に囲まれて、生きている実感を味わうこともなく、漫然と日々を送っていた。彼女が自由に生きることができるのは、空想の青い城の中だけ。 そんな彼女がある日、突如変わり始める。自由に、自分らしく生きたい、そう願う彼女の前に現れたのは、危なげな雰囲気を漂わせる男、バーニー。2人は――。
"ANNE OF GREEN GABLES"の著者モンゴメリの書いたロマンス。アンとはかなり雰囲気が違います。良質なおとなのロマンスです。モンゴメリらしい人間観察の細やかさ、ストーリー展開の巧みさ、時間を忘れて読みふけってしまう本です。香りの良いお酒に心地よく酔っている間に読み終わってしまったような、そしてもっとゆっくり味わいたかった、そんな感じさえします。
ストーリー展開、心理描写、風景描写、どれをとっても秀逸でした。
モンゴメリを子ども向きの作家だと思い込んでいる方にこそ読んでいただきたい作品です。
ヴァランシーは29才、愛したことも愛されたこともなく、人を型にはめたがる家族や親戚に囲まれて、生きている実感を味わうこともなく、漫然と日々を送っていた。彼女が自由に生きることができるのは、空想の青い城の中だけ。 そんな彼女がある日、突如変わり始める。自由に、自分らしく生きたい、そう願う彼女の前に現れたのは、危なげな雰囲気を漂わせる男、バーニー。2人は――。
"ANNE OF GREEN GABLES"の著者モンゴメリの書いたロマンス。アンとはかなり雰囲気が違います。良質なおとなのロマンスです。モンゴメリらしい人間観察の細やかさ、ストーリー展開の巧みさ、時間を忘れて読みふけってしまう本です。香りの良いお酒に心地よく酔っている間に読み終わってしまったような、そしてもっとゆっくり味わいたかった、そんな感じさえします。
ストーリー展開、心理描写、風景描写、どれをとっても秀逸でした。
モンゴメリを子ども向きの作家だと思い込んでいる方にこそ読んでいただきたい作品です。
A TANGLED WEB L.M.Montgomery
蜘蛛の巣のように絡み合ってきたダーク家とペンハロー家。その長老ともいえる85歳のベッキーおばさんは、家宝である水差しを誰に遺すつもりなのか? パーティの場で集まった人々のさまざまな思惑が交錯する。
登場人物の多いこと! 一体何人出てきたことだろう。これはもう、人物表でもなければわけがわからなくなりそうだ。
そしてこの何とも複雑な恋愛模様! 心は夫と共に墓場にあるはずの戦争未亡人、彼女をずっと憎んでいたと思い込んでいた男とのおそい恋……。月の光のもとでの恋人たち、とてもきれいだ。
結婚式の夜に花嫁衣装のまま実家に帰った花嫁。その心に住むのは……。
幸せいっぱいの若い娘。この幸せは続くのだろうか?
Noelって男はお馬鹿だ。Nanみたいな娘にひっかかるなんて。このNanって子、どこにでもいるタイプ。で、たいてい馬鹿な男がひっかかると決まってる(^^;)
Donnaは、Joscelynはどうなるんだろう、と気になってならない。幸せになってほしいなぁ、みんな。
Brian坊やとMoon Manが話している場面、泣いてしまった。顔も覚えていない母が自分を愛してくれていたこと、それだけでもこの子の心は安まる。どうもわたしは、lonely childというのに弱いようだ。
確かにMoon Manって別格という感じがする、印象的な人物である。ベッキーおばさんも一目置いていた。でも、なぜなんだろう? これも気になる。
もつれた糸があるべきところにおさまっていくにつれて、水差しなどどうでもいいような気持ちになってきた。ベッキーおばさんがお墓の下で笑っているのが見えるような場面もあった。
水差しの行く末は何となく予想できたが、いや、爽快だった! 途中でどうなるのかとはらはらもし、泣けてしまう場面も、それから笑える場面もちりばめてあった。暖かい灯のともるTreewoofe、そしてブライアン坊や……。
ここに出てきたみなさんと肩を抱き合いたい気分。よかったね!!
物語を読む楽しさをたっぷり味わった。小道具としての水差しの使い方もうまく、ミステリぽい雰囲気もある。名前を隠して読んでもらったら、モンゴメリだってわからない人もいるかもしれない。モードには、こういう作品をもっと書いてほしかったと惜しまれてならない。
Googleで検索しても、この本の感想ってちょっぴりしか出てこない。もっと宣伝しなければ!
登場人物の多いこと! 一体何人出てきたことだろう。これはもう、人物表でもなければわけがわからなくなりそうだ。
そしてこの何とも複雑な恋愛模様! 心は夫と共に墓場にあるはずの戦争未亡人、彼女をずっと憎んでいたと思い込んでいた男とのおそい恋……。月の光のもとでの恋人たち、とてもきれいだ。
結婚式の夜に花嫁衣装のまま実家に帰った花嫁。その心に住むのは……。
幸せいっぱいの若い娘。この幸せは続くのだろうか?
Noelって男はお馬鹿だ。Nanみたいな娘にひっかかるなんて。このNanって子、どこにでもいるタイプ。で、たいてい馬鹿な男がひっかかると決まってる(^^;)
Donnaは、Joscelynはどうなるんだろう、と気になってならない。幸せになってほしいなぁ、みんな。
Brian坊やとMoon Manが話している場面、泣いてしまった。顔も覚えていない母が自分を愛してくれていたこと、それだけでもこの子の心は安まる。どうもわたしは、lonely childというのに弱いようだ。
確かにMoon Manって別格という感じがする、印象的な人物である。ベッキーおばさんも一目置いていた。でも、なぜなんだろう? これも気になる。
もつれた糸があるべきところにおさまっていくにつれて、水差しなどどうでもいいような気持ちになってきた。ベッキーおばさんがお墓の下で笑っているのが見えるような場面もあった。
水差しの行く末は何となく予想できたが、いや、爽快だった! 途中でどうなるのかとはらはらもし、泣けてしまう場面も、それから笑える場面もちりばめてあった。暖かい灯のともるTreewoofe、そしてブライアン坊や……。
ここに出てきたみなさんと肩を抱き合いたい気分。よかったね!!
物語を読む楽しさをたっぷり味わった。小道具としての水差しの使い方もうまく、ミステリぽい雰囲気もある。名前を隠して読んでもらったら、モンゴメリだってわからない人もいるかもしれない。モードには、こういう作品をもっと書いてほしかったと惜しまれてならない。
Googleで検索しても、この本の感想ってちょっぴりしか出てこない。もっと宣伝しなければ!
ANNE OF WINDY POPLARS L.M.Montgomery
邦題『アンの幸福』です。この巻には独特の雰囲気がありますね。書簡体で書かれた文体もだけど、アンが引っ込んでいる分、周囲の人たちに何とも言えない趣があります。
エズメ、ポーリーン、ノーラ……婚期を過ぎた、あるいは婚期を過ぎようとしている女性の描き方は、絶妙ですね!
小さなエリザベスが印象的です。豪壮ではあるけれど人を寄せ付けないような屋敷で、母を亡くし、父と別れて厳格な祖母と暮らすエリザベス。気分によって自分の呼び名を変えるエリザベス、そうやって孤独に耐えてるエリザベスって……。十歳でしたっけ、健気すぎます。どうして、お父さんは、迎えに来ないんだ!!
アームストロング父子のお話は、この本の中でもたぶん一番心に残るエピソードですね。
一年目の冬、カザリンとアンはグリーン・ゲイブルズでクリスマスを過ごしています。いつの間にか、デイビーとドラが大きくなっていて、びっくりしています。
二年目が終わりました。六月のグリーン・ゲイブルズで過ごす小さいエリザベス、絵のようにきれいですね。 カザリンは、この夏をグリーン・ゲイブルズを過ごした後、レドモンドへ行くのですね。登場する場面は少ないのにインパクトの強い女性でした。
三年目は、あの双子のお守りと、貴族のような屋敷の話がおもしろかった。足の甲が高いと貴族的みたいな話がありました。わたしの足の甲は……。
この本は、アン・シリーズでは後の方に書かれているのですね。キルメニーと比べて、円熟した筆致だと思いました。書簡体を間にはさんでいるのもいいですね。『あしながおじさん』のジュディの手紙と比べると、大人の女性の書く手紙だという感じです。
カザリン、小さなエリザベス、ミネルバ・トムギャロン、ひとりひとりの生き方が心にしみるようです。この巻の登場人物には、何とも言えない趣がありますね。過去に生きるミネルバ・トムギャロン、過去のしがらみを断ち切って現在に生きるカザリン・ブルック、未来へと手を伸ばす小さなエリザベス……。
最後の場面で、塔の部屋からうち振られる白いタオルと一緒に、温かくて何か励ましてくれるようなものが心に残ります。芳醇な味わいとでも言ったらいいかな? オトナが味わうお話ですね。
エズメ、ポーリーン、ノーラ……婚期を過ぎた、あるいは婚期を過ぎようとしている女性の描き方は、絶妙ですね!
小さなエリザベスが印象的です。豪壮ではあるけれど人を寄せ付けないような屋敷で、母を亡くし、父と別れて厳格な祖母と暮らすエリザベス。気分によって自分の呼び名を変えるエリザベス、そうやって孤独に耐えてるエリザベスって……。十歳でしたっけ、健気すぎます。どうして、お父さんは、迎えに来ないんだ!!
アームストロング父子のお話は、この本の中でもたぶん一番心に残るエピソードですね。
一年目の冬、カザリンとアンはグリーン・ゲイブルズでクリスマスを過ごしています。いつの間にか、デイビーとドラが大きくなっていて、びっくりしています。
二年目が終わりました。六月のグリーン・ゲイブルズで過ごす小さいエリザベス、絵のようにきれいですね。 カザリンは、この夏をグリーン・ゲイブルズを過ごした後、レドモンドへ行くのですね。登場する場面は少ないのにインパクトの強い女性でした。
三年目は、あの双子のお守りと、貴族のような屋敷の話がおもしろかった。足の甲が高いと貴族的みたいな話がありました。わたしの足の甲は……。
この本は、アン・シリーズでは後の方に書かれているのですね。キルメニーと比べて、円熟した筆致だと思いました。書簡体を間にはさんでいるのもいいですね。『あしながおじさん』のジュディの手紙と比べると、大人の女性の書く手紙だという感じです。
カザリン、小さなエリザベス、ミネルバ・トムギャロン、ひとりひとりの生き方が心にしみるようです。この巻の登場人物には、何とも言えない趣がありますね。過去に生きるミネルバ・トムギャロン、過去のしがらみを断ち切って現在に生きるカザリン・ブルック、未来へと手を伸ばす小さなエリザベス……。
最後の場面で、塔の部屋からうち振られる白いタオルと一緒に、温かくて何か励ましてくれるようなものが心に残ります。芳醇な味わいとでも言ったらいいかな? オトナが味わうお話ですね。
ANNE OF THE ISLAND L.M.Montgomery
レドモンド大学でのアンの学生生活。パティの家で楽しい学生生活を送るアン。
記憶にはない両親を訪ねる旅。腹心の友ダイアナの結婚に心揺れ、みずからも愛に迷うアンの青春。アンが愛するのはだれ?
学生生活が懐かしく思い出されてきます。アンほど優雅ではありませんでしたが(^^;)
アンが自分の心に気づく場面は、いつ読んでも感動しますね。
記憶にはない両親を訪ねる旅。腹心の友ダイアナの結婚に心揺れ、みずからも愛に迷うアンの青春。アンが愛するのはだれ?
学生生活が懐かしく思い出されてきます。アンほど優雅ではありませんでしたが(^^;)
アンが自分の心に気づく場面は、いつ読んでも感動しますね。
ANNE OF INGLESIDE L.M.Montgomery
邦題『炉辺荘のアン』です。村岡さん訳では章ごとにタイトルがついていたのですが、原書にはなかったのですね。章タイトルは村岡さんのオリジナルだったのかな?
この本は独身時代に何度も読み返しては、子どものいる生活ってこういうものなのかとあこがれていましたが、そんな考えがいかに甘いか、自分が母になってから身をもって実感しました。
そうよね、よく考えると、アンのおうちにはお手伝いさんがいるのよね。いくら子どもがたくさんいると言っても、家は広いし、お手伝いさんがいるんだもんね、とひがみ半分で今まで読まずにいたというのが実情です。
でももう、うちの子どもたちも炉辺荘の子どもたちの年齢を過ぎようとしています。振り返るなら、今がちょうどいいときなのかもしれません。
こんな時代もあったな、なんてちょっぴり感傷にふけりながら読んでしまいそうです。
ナンの取り引きのところ、ナンの気持ちはとてもよくわかります。でも、どちらかというと、神さまに求めるばっかりです、わたし(^^;) ナンの方が立派です!
最初は子どもの立場で読んでいました。アンみたいなおかあさんだったらよかったのに、って。気がついたら、多分、もう、アンの年を越えてしまっているようです。子どもの年齢を考えたら今がギリギリかな? 子ども時代を大事にしたいと思うなら今しかないのかも。
物語というより小さいエピソードの積み重ねなので、ぼちぼち読んでいます。内容はだいたい覚えているので、懐かしく感じながら読んでいます。
読了すれば、アン・ブックスの本編は一応全部原書で読んだことになります。次はクロニクルにしようかな?
この巻を読むのは、やはり時期的に今がぎりぎりだったようです。最後の方のアンの気持ちを考えると、ちょっと複雑な気分ですね。よくわかるんだけど、アンもフツーの奥さんなんだと思うと、うーん、グリン・ゲイブルズのアンが懐かしいなぁ、まるっきり普通っていうのもねぇ、なんて思ってしまいました。
作者自身もあまり楽しんで書いていないような雰囲気が漂っています。つくっているという感じが拭い切れません。年代記として読む楽しさはありますが、これだけで読むにはちょっと物足りないんじゃないかなと思います。
ともあれ、これで本編は全部原書で読みました。少し時間をおいてから『アンの友達』『アンをめぐる人々』など読んでみたいと思います。
この本は独身時代に何度も読み返しては、子どものいる生活ってこういうものなのかとあこがれていましたが、そんな考えがいかに甘いか、自分が母になってから身をもって実感しました。
そうよね、よく考えると、アンのおうちにはお手伝いさんがいるのよね。いくら子どもがたくさんいると言っても、家は広いし、お手伝いさんがいるんだもんね、とひがみ半分で今まで読まずにいたというのが実情です。
でももう、うちの子どもたちも炉辺荘の子どもたちの年齢を過ぎようとしています。振り返るなら、今がちょうどいいときなのかもしれません。
こんな時代もあったな、なんてちょっぴり感傷にふけりながら読んでしまいそうです。
ナンの取り引きのところ、ナンの気持ちはとてもよくわかります。でも、どちらかというと、神さまに求めるばっかりです、わたし(^^;) ナンの方が立派です!
最初は子どもの立場で読んでいました。アンみたいなおかあさんだったらよかったのに、って。気がついたら、多分、もう、アンの年を越えてしまっているようです。子どもの年齢を考えたら今がギリギリかな? 子ども時代を大事にしたいと思うなら今しかないのかも。
物語というより小さいエピソードの積み重ねなので、ぼちぼち読んでいます。内容はだいたい覚えているので、懐かしく感じながら読んでいます。
読了すれば、アン・ブックスの本編は一応全部原書で読んだことになります。次はクロニクルにしようかな?
この巻を読むのは、やはり時期的に今がぎりぎりだったようです。最後の方のアンの気持ちを考えると、ちょっと複雑な気分ですね。よくわかるんだけど、アンもフツーの奥さんなんだと思うと、うーん、グリン・ゲイブルズのアンが懐かしいなぁ、まるっきり普通っていうのもねぇ、なんて思ってしまいました。
作者自身もあまり楽しんで書いていないような雰囲気が漂っています。つくっているという感じが拭い切れません。年代記として読む楽しさはありますが、これだけで読むにはちょっと物足りないんじゃないかなと思います。
ともあれ、これで本編は全部原書で読みました。少し時間をおいてから『アンの友達』『アンをめぐる人々』など読んでみたいと思います。