2005年06月16日

『Xの悲劇』 エラリー・クイーン 大久保康雄訳 新潮文庫

THE TRAGEDY Ellery Queen ISBN:4102137017

満員電車の中で証券業者が殺される。ポケットの中から毒を塗られた50本以上の針が刺さったコルク玉が見つかった。サム警部は、かつてシェイクスピア劇の名優だったが、今は舞台を退いたドルリー・レーンに協力を依頼し、捜査を始める。その矢先、渡船場で殺人事件の起こった電車に乗っていた車掌の死体が発見される。そしてまた、新たな殺人が――。

 綿密に構成されたプロット、随所で引用されるシェイクスピア劇がかもし出す重厚な雰囲気。神出鬼没のドルリー・レーンはどこかホームズを思い起こさせる。端整でありながら茶目っ気があるドルリー・レーンはなかなか魅力的な探偵である。

 ほう、とため息をついて本を閉じたあと、またすぐ読み返したくなる1冊。謎解きの楽しさもさることながら、物語の楽しさをも満喫できる。もっと早く読んでいればよかった……。

 でも、まだ『Yの悲劇』『Zの悲劇』『ドルリー・レーン最後の事件』が残っている。楽しみに読んでいきたい。
posted by 如月 at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | Q