2005年03月04日

THE MAMMOTH HUNTERS Jean M.Auel  

 ジョンダラーとともに谷を後にしたエイラは、マムトイの一族であるライオンキャンプの人々と出会い、共に暮らす。
 
 ひたすら悩み続けるジョンダラーには辟易するが、新人の生活様式を原人と比べながら読むのはなかなか興味深かった。

 原人と新人との混血の子レイダグを通して、人が人として生きることの意味を考えさせられた。

 これから先、この物語はどのように展開していくのだろう? ジョンダラーの故郷に着くのは第5巻となっているのだが。
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THE VALLEY OF THE HORSES Jean M.Auel     

"What does 'love' mean?" ( p529)   長い長いお話は、この一言を導くためだったのか。

 ただ生き延びるだけではなく、より深く生きていく道を歩み始めた人間。ユーモアを解するほどにもなるが、その裏で苦しみや悲しみも、そして心の痛みも一層深くなる。そんな歩みが'love'という言葉に象徴されているように思う。これからのお話は、ずんと深みを増していくような気がしている。

 これからもいろいろなことが起こるだろう。人と人との摩擦や葛藤も起こるだろう。でも、Aylaは大丈夫。I know I am. (p524) こう言えるAylaだから。

  心配なのは、Jondalar。自分の気持ちぐらい、夢の中ではなく、現実を見て気づけよ、と、最後まで冷たい視線を送ってしまった。3巻では、Jondalarはどう変わっていくのだろう。見守っていきたい。
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THE CLAN OF THE CAVE BEAR Jean M.Auel      

 地震でひとりぼっちになり、さまようクロマニョン人の5才の女の子エイラ。ネアンデルタール人の一族に育てられ、さまざまな試練を経て、一人の女性へと成長していく。
 
 大地の子エイラシリーズ第1巻。原人の生活様式が細かく描かれ、その中で一人異人種として育つエイラの成長がいきいきと描かれている。

 シリーズの中ではこの第1巻が一番おもしろいのではないかと思う。
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A LONG FATAL LOVE CHASE Louisa M.Allcot

『若草物語』の著者オルコットが書いたミステリタッチの作品。お子様向きではありません(^^;)  全24章のうち、8章まで読みました。

 孤島で気むずかしい祖父と暮らす美少女ロザモンド。彼女の運命は、謎めいた男が島を訪れたときから大きく変わっていく。男の名はフィリップ・テンペスト。額に傷跡のあるこの男はどこか秘密めいた雰囲気を秘めている。
 ロザモンドはたちまちテンペストに恋をする。さまざまないきさつを経て、テンペストとともに島を出るロザモンド。

 それから一年。テンペストと結婚したロザモンドは当時イタリア領であったニースで幸せにひたっていた。だが、そんなロザモンドの周囲に死の影が立ちこめ始める。そして、怪しげな女の影に悩まされる。

 聞いてはいけない話を漏れ聞いてしまったロザモンドは深く傷つき、一人夜の駅に向かう。そこには……。

 『若草物語』出版の二年前に書かれた作品ですが、『若草物語』とは全然結びつかないところがおもしろい。 雑誌の連載だったらしく、展開の早い物語ですが、ちょっと通俗的な感じがするのは否めません。とはいえ、エンタメというにはちょっと固いかな。

 でも、おもしろい! ロザモンドがどうなるのか気になってついついページをめくってしまいそうになります。

 ロザモンドが逃げちゃったので、これから追跡が始まるのでしょう。テンペスト、怖い人みたいに書かれているのでロザモンドが無事に逃げられるのか、とても心配です。

  ロザモンドはなぜかフランスの修道院にいます。 プロテスタントの女の子が修道女にあこがれるってよくあるのかも。アンの想像にもよく出てきましたね(^^;) ミステリというより冒険活劇っぽいかも?  舞台はフランスからドイツへ。次はどこまで行くのやら?  『若草物語』を書く前に、こういう通俗娯楽小説も書いてたなんて、ルイザはすごい!  

 さて、どう収拾つけるのだろう、と思いつつ読んでいました。うーん、こう来たかという感じです。そこまでやるの? 出版社の意向っぽいな、読者に受けるためかな、とかいろいろ考えています。

 アンたちの物語クラブで受けそうな感じです。ヒロインの名前もロザモンドですし(^^;) アンのお気に入りの名前だったんじゃないかな?  終わり方は好きではありませんが、ぐいぐい読者を引っ張っていく力のある本でした。読み終えた今でも、これってほんとにルイザのだっけ? と、思ってしまっています。ここまで通俗娯楽小説に徹するというのはすごいことです。

 もし、生活のためとか、出版社の意向とかを考えずに好きなように書くことができたなら、ルイザはどんな小説を書いたのでしょうね。書いてほしかったな、なんて思ってしまっています。 
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2005年01月22日

"PRIDE AND PREJUDICE" Jane Austen

Penguin Classics ISBN 0140434267(絶版) 現在出版されている版 0141439513

 英国はハートフォードシャー州のとある村。世間から超越して自分の世界を楽しむベネット氏と俗世間のことしか頭にないベネット夫人、このふたりが長年夫婦をやっているのは何とも不可思議であるが、そこに22歳を頭に末は16歳まで5人の娘がいるのもまた不思議。

 上からジェーンエリザベス、メアリ、キャサリン、リディア。淑やかで世間の受けもいいジェーンと才気煥発、しっかり者だが、歯に衣着せぬ物言いでとかく波風を立ててしまいがちなエリザベス(リジー)、本と音楽が好きなインドア派メアリ、うらやましがり屋のキャサリン(キティ)、怖いもの知らずで向こう見ずなリディアとそれぞれ個性豊かな5人姉妹である。

 ベネット家のご近所ネザーフィールドに朗らかな好青年ビングリー氏が越してくる。妹がふたり、結婚してハースト夫人となったルイザと未婚のキャロライン。それに友人のダーシー氏も一緒に滞在している。裕福でハンサムなダーシー氏に熱を上げるキャロライン。

 ビングリー氏とジェーンはたちまち恋に落ちる。かたや、自尊心が高く偏屈なダーシー氏にエリザベスは反感を募らせる。

 ところが、ある日突然、ビングリー氏一行はロンドンに行ってしまい、ネザーフィールドにはもう帰らないのではないかといううわさが! 

 傷心のジェーンはおばを頼ってロンドンへ。そして、エリザベスは従兄弟と結婚した友人の家へ。そこへ訪ねてきたのは……。

 抜け駆けしていきなり身を固める者あり、駆け落ちする者あり、誤解を解いて愛をよみがえらせる者あり、思いが報われぬ者あり、指をくわえて見ている者あり、さまざまな恋と結婚が当意即妙で洒脱なおしゃべりをとおして描かれている。

 眉目秀麗なウィカム氏がダーシー氏からひどい仕打ちを受けたと聞いてダーシー氏を「ひどい人」と決めつけたエリザベスが、自分の目の曇りに気づき、ダーシー氏に惹かれていくが、果たしてダーシー氏は、というあたりは読んでいてどきどきした。自分の気持ちに正直に生きようとするエリザベスの媚びることのない溌剌とした魅力は、今もその輝きを失っていない。

 エリザベスとダーシー氏、ジェーンとビングリー氏、といった主役、準主役の活躍もさることながら、脇を固める人物もまたとりどりに個性豊かで魅力的である。エリザベスにプロポーズしておきながらちゃっかりシャーロットと婚約してしまうコリンズ氏や、自分がダーシー氏に気があるものだから、ジェーンと相思相愛の兄とダーシーの妹ジョージアナをくっつけようと画策するキャロライン・ビングリー(この人には理屈っぽいエリザベスが苦手で縁戚関係になりたくないから兄とジェーンの仲を裂いてやろうという気持ちもある)、割れ鍋に綴じ蓋みたいなベネット夫妻の会話など、今の時代にいてもおかしくないような人々のおしゃべりに聞き入ってしまった。個人的には、心を一つにして無駄のない動きをするガードナー夫妻が気に入っている。

 1813年に出版され、モームの「世界十代小説」にも挙げられる作品というのでかなり構えて読み始めたが、おしゃべりのおもしろさとテンポの速い展開にひかれて、楽しみながら読んだ。どれだけ理解できたかというとかなり怪しいが、それなりに楽しんだとしておこう。

 突き詰めて言えば、だれとだれが好きで嫌いでどうなってこうなって結局は、というたわいのないお話なのだけど、これがおもしろいのだ。おしゃべりとかロマンスは苦手なのだけど、なぜか読んでしまった。これほど卑近な事柄をこれほどおもしろく書けるのは、やはりとてつもない才能なのではないか。豊かな人間観察に基づく鋭い風刺をそこはかとないユーモアにくるんで描く手腕はお見事の一語に尽きる。
 
 次に読むときはきちんと単語等調べながら読んでみたい。

『ブリジット・ジョーンズの日記』はこの作品を下地にしているとのこと。映画『ユー・ガット・メール』にもエリザベスとダーシー氏が登場するそうだ。

原書マラソン 2167/10000
posted by 如月 at 09:26| Comment(2) | TrackBack(0) | A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月07日

『ケインとアベル』ジェフリー・アーチャー 永井淳訳 KANE AND ABEL

ISBN: 4102161031、410216104X

 1906年4月18日、2人の男の子がこの世に生を受けた。1人はポーランドの貧村で父のわからぬ子として、1人はアメリカ東海岸の裕福な銀行家の御曹司として。貧しい少年は占領下での収容所生活の後、アベルという名でアメリカに入国し、素早い頭の働きと人並み以上の頑張りでホテル王として君臨する。銀行家の御曹司ケインは出世への階段をまっすぐに突き進む。それぞれに家庭を持った2人だが、その子どもたちは……。歴史の流れの中で、全く対照的な2人の人生が交錯する。

 祖国をなくし、厳しい生活を強いられ、放浪の果て移民としてアメリカにたどり着いたヴワデクに、ポーランド移民の人々が映し出されている。たどり着いたところがシカゴというところで、この前読んでいたサラ・パレツキーのヴィクを思い浮かべた。

 第1次世界大戦での軍事好況から大不況を経てなお勢いを伸ばしていく企業の姿は、まるで経営の教科書のようで、興味深く読んだ。子どもたちの話はちょっとありきたりのような気がしたが、最後までとりつかれたように読んでしまった。歴史小説であり、企業小説であり、かつ人情ものというべきか。

『ロスノフスキ家の娘』はこの続編なのかな? 読んでみたい。
posted by 如月 at 20:31| Comment(2) | TrackBack(0) | A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする