2005年01月01日

年頭の挨拶にかえて

「新年よ、ようこそ」時計が打ち終わると、ジム船長は低く頭を下げた。「みなさんが生涯で最良の年をすごされますように、友よ。新年がわしらにどんなものをもたらそうとも、それは偉大な船長である神がわしらにくださる最善のものだと思うですよ――して、どうにかわしらはみないい港に入港することになりましょうて」   
『アンの夢の家』L.M.モンゴメリ 村岡花子訳 第16章 「灯台の大晦日」より

"Welcome, New Year," said Captain Jim bowing low as the last stroke died away. "I wish you all the best year of your lives, mates. I reckon that whatever the New Year brings us will be the best the Great Captain has for us----and somehow or other we'll all make port in a good harbor."
"Anne's House of Dreams" cap16 'New Year's Eve at the Light'
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2004年12月31日

言葉の力

 2004年読んだ本のベストをあちこちで挙げてみたが、全ての中で最も心に残った本はといえば、ル・グィン『言の葉の樹』である。

 良きにつけ悪しきにつけ言葉の力を感じることが多かったこの年、言葉と語りの持つ力を描いたこの作品に出会えたことは、わたしにとっては幸いであり、恵みであった。

 今朝の朝日新聞の素粒子によるコラムにも言葉の大切さがうたわれている。

 言葉の持つ力を大切にし、良き力を持つ言葉を発していきたいと思う。
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2004年11月23日

アメの包み紙にマザーグースとシェイクスピア

"LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS"でローラたち一家が町に行ったとき、ローラとメアリはハート形のアメを買ってもらいました。メアリのアメの包み紙に書いてあったのは、
"Roses are red
 Violets are blue,
 Sugar is sweet,
 And so are you."

 これはマザーグースからきているんですね。

 ローラの包み紙にあった"Sweets to the sweet."これもどこかで見たようなと思って調べてみました。
 
 あった、ありました! "ANNE OF GREEN GABLES"cap20で、フィリップス先生がプリシー・アンドリュースに"Sweets to the sweet."と言いながらメイフラワーを贈っています。先生、授業時間中に教え子にそんなこと言ってていいのかなぁ? 村岡さん訳では「美しいものを美しい人に」とされています。

 松本侑子さん訳『赤毛のアン』訳者ノートによると、『ハムレット』第5幕第1場からの引用とのこと。さらに古い元歌があるそうです。

 ローラの包み紙に書いてあったのはシェイクスピアだったのですね。がっかりすることなかったんだ、ローラ!

 ついでにもひとつ。"ANNE OF GREEN GABLES"cap15で、ギルバートがアンと仲直りしようとしてアンの腕にすべり込ませたのは"You are sweet."と金文字で書かれたピンクのハート形キャンディでした。ちょっと似てますね。
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2004年08月22日

3つのよきもの

"There be three gentle and goodie things,
 To be here,
 To be together,
 And to think well of one another."

"MISTRESS PAT" L.M.Montgomery Seal Books p219

 〈長い家〉の暖炉の上に刻まれたことば
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2004年08月02日

Stay with the question.

"Stay with the question." MAISIE DOBBS Jacqueline Winspear  p104 ヒロインMaisieに師が与えた言葉

 答えが出ないなら、無理に答えを出す必要はない。問いをそのまま抱き続けていればいい。
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2004年07月13日

いまは漕ぎいでな

 "The Voyage of the Dawn Treader" の邦題は『朝びらき丸 東の海へ』。行方不明の七卿を探して、カスピアン、エドマンド、ルーシィ、リーピチープ、ユースチスらが東へ東へと航海する。物語の深い意味をも伝える名訳である。いざ漕ぎ出さん、という高揚感が伝わってくる。

 船出というのは、何とも人の心を沸き立たせるもののようだ。"The Voyage of the Dawn Treader" を読んでいると、昔習ったこんな歌が思い出されてくる。
  
 熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ いまは漕ぎいでな  額田女王

 船出のときを待つ緊迫感と高揚感。はるか昔の人々の心が生き生きと今も伝わってくる。


 いまは漕ぎいでな――
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2004年06月15日

もっとも信仰篤い者の祈り

 朝日新聞夕刊「時評 歌句詩」佐々木幹郎氏が相澤啓三『マンゴー幻想』より『箴言風の五つの戯詩」を引用されている。

 「神のない者の開き直り
 『なるようになるがいい』
 もっとも信仰篤い者の祈り
 『なるようにならしめたまえ』
 彼我ともに風を煽り
 火蛾の飛翔をともにする」

 この中で『もっとも信仰篤い者の祈り/『なるようにならしめたまえ』』とあるが、これについて思うこと。

 「もっとも信仰篤い者の祈り」とは「なすべきことをふさわしく為し遂げる力を与えたまえ」だと、わたしは考える。

 問題となるのは、この「なすべきことをふさわしく」が、必ずしも、いつ、だれが見ても正しいといえるわけではないというところにあるのではないかと思う。
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2004年06月12日

その八重垣を

 Sachiさんの日記を読ませていただいて、学生時代を過ごした出雲の地を懐かしく思い出していました。ブログだったら、トラックバックさせていただきたかった(^^;) 

 八重垣神社には何度か行ったことがあります。小さな池があり、そこに硬貨を乗せた半紙を浮かべます。沈まずに浮かんでいたら恋が実るとか、確かそんな言い伝えがありました。詳細は覚えていません(^^;)
 
 試したことはあるはずですが、結果はどうだったっけ? かすかに記憶に残っているのは水面に浮かぶ半紙の白さ(懐紙だったかも)くらいです。

 以下、Sachiさんの日記から引用させていただきます。Sachiさん、感謝♪

「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」。
(やくもたつ いづもやへがき つまごみに やへがきつくる そのやへがきを)
 須佐男命が新婚の喜びを歌った歌とされています。

原文ではこう書かれているそうです。
「夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐 都麻碁微爾 夜幣賀岐都久流 曾能夜幣賀岐袁」
岩波文庫版 古事記 より
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2004年06月09日

あおみてせまるきみがまなざし

 どくだみの白い花をあちこちで見かける季節になった。

 高校時代、現代国語の教科書にどくだみの花を歌った短歌が載っていた。「どくだみの」で始まり、「花の」だったかな、中の句が思い出せない。「あおみてひかるきみがまなざし」と続く。

 教科書などとっくに手元から離れているから確かめようがない。ネットで検索してみたが、出てこない。困ったことに、作者名も覚えていないのだ。

 見つからないとよけいに気になる。

 高校時代、現代国語は一番好きな科目であり、担当の先生とも気が合った。この歌についても語り合ったはずである。

 八海事件について語る熱血社会派の教師だった。

 先生がぜひ文学部に進みなさいと薦めてくださったのに、わたしは我意を通してまったく違う学部に進んだ。

 そして、今ごろになって、先生と読んだ歌を思い出している。

 もし、ごらんになっていたら、苦笑いされるだろうか。
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2004年06月05日

物語にこそ

 朝日新聞の夕刊『風景を歩く』、今回は宇治。『源氏物語』宇治十帖がテーマ。

 そう言えば、高校の古典の授業で読んだっけ、宇治十帖。浮舟に最初はもどかしさを感じていたが、あとになるにつれその強さに打たれた。

「物語にこそ人間の真実が宿る」、紫式部は光源氏にこう語らせているそうだ。今、わたしたちが物語を読むのもそれゆえであろう。
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2004年05月29日

「ただ人生をお書きなさい」

 きょうの朝日新聞be赤版「ことばの旅人」は「イワナ3匹食べた者は龍になる」松谷みよ子『龍の子太郎』より。
 貧しい山村。身重の母は炊事当番のとき、みんなの分のイワナ3匹を一人で食べてしまい、龍になった。母が乳のかわりにしゃぶるようにと差し出した玉は自分の目。大きくなった太郎は母の背に乗り、山を開き、湖を豊かな平野に変える――
『龍の子太郎』は子どものときに映画だったか劇だったか覚えていないけど、近くの文化会館で見た。何だか怖いお話だったという記憶しかない。きょうの記事でどういうお話だったかようやく理解できたような気がするが、最後はやっぱりぼんやりしている。
 
 松谷みよ子さんの師、坪田穣治氏が松谷さんに寄せたことば「3枚の作品でも、千枚でもいい。けれどもそこに、ただ人生をお書きなさい」

 心に刻んでおきたい。
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2004年04月17日

成功する人は

〈成功する人は、難しいかもしれないけれどできると考え、
  失敗する人は、できるかもしれないけど難しいと考える〉
   タフラブ

 以前、新聞記事に載っていた言葉です。難しいと考えて諦めてしまいがちな自分に対して喝を入れるために、ここに挙げておきます。
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2004年04月03日

「幸いの根」

きょうの朝日新聞から

「幸いの根は、私たちの境遇の中にある、もって生まれた天分のなかにある。幸いの花の咲くのは遅いかも知れない。けれどもよく培われる根が枝や花を出さずにしまうことはない」
羽仁もと子さんが1927年に書かれたエッセーより
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