2007年12月23日

"IRISH CHAIN" Earlene Fowler

Berkley Prime Crime Books
309ページ

 サン・セライナにある退職者ホームでダンス・パーティが開かれた。パーティの会場でベニは、高校時代のあこがれの人、クレイ・オハラに思いがけず再会する。だが、ベニを驚かせたのは、それだけではなかった。ホームの入居者で小学校時代の恩師ヴァイオレットと、デパート経営者だったクレイのおじが死んでいるのが見つかったのだ。4年生のとき、『シャーロットのおくりもの』を読んでくれた優しいヴァイオレットがなぜ? 2人の死の謎を追うベニは、第二次世界大戦開戦時の出来事が影を落としているのに気づく。その影とは? そして、2人の死の真相は?

 ベニ・ハーパー・シリーズ第2作。事件を調べている過程でベニが出会った日系人の姿が印象的だった。歴史のはざまで翻弄されながらも、ひたむきに生きた人々、そして今も残る戦争の傷跡に心が痛んだ。かつてのあこがれの人に再会したベニの心の揺れに、切ない思いがよみがえるような気がした。

 興味深い設定がいまひとつ生かし切れず、やや物足りなさが残ったので、できればもう一工夫欲しかったところである。
posted by 如月 at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | F | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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