2005年03月04日

"GOOD WIVES" Louisa M.Alcott

"LITTLE WOMEN"第2部。

  第1部が幕を下ろしてから3年後、メグの結婚式からお話は始まります。

 芸術に、文学に、奮闘するエイミーとジョー。ジョーは自分のペンでお金を稼げるようになり、ベスが母と共に海辺で過ごせるように取り計らいます。書いて書いて書きまくるジョーは、ある時期のルイザそのものだったのでしょう。ペンで家族を支えることを彼女は何よりも誇らしく思っていたに違いありません。

 新婚家庭でのメグ。貧しいながらも夫にとって天国とも思える場所をつくろうと粉骨砕身しながらも、経験不足のためうまくいかなくてヒステリーを起こしてしまいます。同じころに結婚したサリー・モファットに誘われ、絹のドレスを買ってしまい、家計簿を調べる夫の目を恐れるメグ。 そうでしたね。そんな時期もありました。料理書と首っ引きで夫の好きなものをつくってみたり、狭いながらも楽しい我が家にしようとちょっとした飾り付けをしてみたり……。随分、昔のことのような気がします(^^;) 

 新婚家庭での夫と妻の微妙な主導権争いの気配も漂っていますね。あとから考えれば、全く別の環境で育った二人がいきなり一緒に暮らすのだから、ぶつかって当たり前なのですが、なぜか結婚当初はこの「当たり前」が頭に浮かびませんでした。一生懸命心をつくせば何とかなると思っていたのでしょうね。世の中にはどうにもならないことも多いというのを、あとになって思い知らされました。

 そんなメグもデイジーとデミという双子のお母さんになります。これからどんな物語を繰り広げてくれるのでしょうか? 楽しみです。

 エイミーはおじ一家とヨーロッパ旅行へ。『風去り』のアシュレも確か、ヨーロッパを回ったとありました。南北戦争勃発前ではありましたけど。この当時、アメリカからヨーロッパに旅行するのは、裕福であることの証明だったのでしょうか?

  ルイザ自身、富裕な令嬢のヨーロッパ旅行――grand tour――への同行を依頼され、ヨーロッパを見聞しています。その時の経験がこの作品に生かされているのでしょう。ちょっとした旅行気分を味わえました。

 ベスは心に何か秘めているような憂い顔。そして、ジョーはニューヨークへ。巣立っていこうとする娘たちを見守るマーチ夫人の心境はいかに?

 住み込み家庭教師としてニューヨークに赴いたジョーは、ドイツから来たベア先生と出会います。身なりにはかまわないけれども、包容力と奥深い優しさを持つベア先生にジョーは惹かれます。
 今や出版社の要請に従い、センセーショナルな小説を書いてお金を稼いでいる(これはルイザの実体験でしょうね)ジョーですが、ベア先生との出会いによってそんな自分を見直します。ベア先生にまた会えるでしょうか?

 ローリーには心に秘めた女性がいます。その女性に認めてもらいたくて大学での勉強にも熱が入りました。そして、輝かしい成績を収めて卒業。ローリーはその女性に自分の思いを伝えますが、彼女は……。

 傷心のローリーを気遣い、祖父は一緒にヨーロッパを旅しようと提案します。ただし、それぞれ自分のぺースでという条件をつけて。

 そして、ニースでローリーはエイミーと再会します。小さな女の子だと思っていたエイミーはいつの間にか一人の美しい女性に成長していました。クリスマスの夜のパーティでダンスを楽しむ二人はなかなかお似合いです。

 ベスの体調はよくなる兆しがありません。ジョーはベスの頬に赤みが戻ることを願ってベスと共に海辺へ。

 ベスは自分の運命を悟っていました。その運命を受け入れるのは難しかったけれども、心は既に安らいでいます。大好きな姉ジョーの膝に頭を乗せ、そんな自分の気持ちを打ち明けるベス。Beth,my dear!

 ブルック家の様子が変です。メグは双子の世話に追われ、夫のことなど眼中にありません。安住の地を求めて、ブルックさんは友人宅に入りびたり。わたしは悪くないのに、なぜわたしばかりが重荷を背負うの……と泣くメグをマーチ夫人は諭します。

  双子を早く寝かせ、夫を温かく出迎えようとするメグ。だけど、デミは寝かそうとしてもなかなか寝ません。厳しくあろうとする夫は情に動かされるメグをいさめます。そして、静かになった部屋でメグが見たものは……。
 身につまされるお話です。デミってめちゃくちゃわがまま! でも、だから可愛くて仕方がないという気持ちもわかります。
 一人泣くメグは育児ノイローゼだったのかも? 母に支えられ、夫と協力していくことを学んだメグは、ここでやっと一人前の母親になれたのかもしれません。
   
 ジョーの孤独が痛いくらい伝わってきました。それだけに、幸せをつかんだジョーを心から祝福したくなりました。これからも幸せに!

 プラムフィールドはマーチおばさんの資産だったのですね。学校を始めるというところでは、ルイザの父に寄せる思いが感じられました。理想家だった父のことをだれよりも理解していたのはルイザだったでしょうから。

 しかしまあ、当時のgrand tourは実に長期に及んだのですね。エイミーたちは3年、4年近くヨーロッパに滞在していたのでしょうか? キャロルおばさまご一家は、もう一冬パリで過ごすとか……。裕福な階級の特権だったようですね。

 ジョーたちの学校はこれからどうなっていくのでしょう? 子どもたちの成長も楽しみです(親戚のおばさんみたいですが)  お話は"LITTLE MEN""JO'S BOYS"と続きます。うーん、読みたいですね、両方とも(^^;)

 "LITTLE WOMEN"も好きですが、"GOOD WIVES"はまた、違った意味で読みごたえのある小説ですね。一人一人の気持ちの動きがとてもきめ細やかに描かれており、大人の読者をしっかり惹きつける作品だと思います。いい作品ですね!
 "JO'S BOYS"はすぐ手に入りそうなのですが、 "LITTLE MEN"はお手頃な版は入手しにくそうです。続けて全部読みたいですね!  ちらっと書評を見てみると、原書よりアニメの方が評判よかったりするようです(^^;)   

posted by 如月 at 15:28| Comment(0) | TrackBack(0) | A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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