「花はわたしが買ってくるわ」
第二次世界大戦と第二次世界大戦のはざま、六月のロンドン。
パーティの準備をする上院議員夫人、クラリッサ・ダロウェイのもとを訪れたのは、かつての恋人ピーター・ウェルシュ。昼食に招かれた夫リチャード。年上の友人ミス・キルマンと出かけた娘エリザベス。
第一次世界大戦に従軍し、戦友とも言える上司を亡くしてから、死に魅入られているような青年セプティミス。イタリア人の妻レティア。
ダロウェイ夫人を中心とする人々の六月のある一日が描かれています。
;で区切られた文章が続く箇所は、ぼんやり読んでいると、だれの気持ちを描いているのか、わからなくなります。 でも、しっかりついていくと、独特のリズムのある流れるような文章の美しさに魅了されます。
生と死、喪失、老い、あり得たかもしれないもう一つの人生……それらをめぐる心のたゆたいが詩的に描かれています。そして、わたしはだれなのか、という問いが心の中に残るような気がしています。
日本語注釈付きの本です。巻末に単語集のような形で説明が載っています。ちょっとした説明がありがたいです。これがなければ、わたしでは、ほんとに薄ぼんやりとした理解しかできないでしょう。
どこまで読み取れているのかちょっと不安なので、折を見てまた読み返したいと思います。ウルフの作品をもっと読んでみたい。かなり背伸びした望みなのですが、こういう作品を書いたウルフに、今とても惹かれています 。
六月のロンドンに行ってみたくなりました。
2005年03月04日
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