2005年01月25日

『貧者の晩餐会』イアン・ランキン 

延原泰子・他訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ ISBN 4-15-001748-4

 リーバス警部シリーズで知られるイアン・ランキンの短編集。リーバス警部もの7編を含む21編が収録されている。

 イアン・ランキンを読むのは初めて。リーバス警部ものに見られるエジンバラの雰囲気に惹かれる。エジンバラ城、ウォルター・スコット記念塔、細い路地、突風。直に味わってみたい。猪突猛進型でちょっぴり皮肉屋だけどどこか憎めないリーバス警部はかなり好みである。シリーズとおして読んでみたい。

 この短編集の中では『キャッスル・デンジャラス』『一人遊び』が好み。『サンタクロースなんていない』で出てきたディケンズ絡みのミステリ・ディナー、楽しそうだ。

 リーバス警部もの以外は時代設定も舞台もとりどりである。『動いているハーバート』はCWA賞最優秀短篇賞受賞作。18世紀末が舞台の『大蛇の背中』、最後の叫びが哀切な『吊された男』、確かに会計の原則だとつぶやいてしまった『会計の原則』などが特に印象に残っているが、こうして書いているとどれも捨てがたく思われる。

 とりどりに趣をたたえ、短編小説を読む楽しみを堪能させてくれる。贅を尽くした『貧者の晩餐会』、お試しあれ!

序文
一人遊び――リーバス警部の物語―― 延原泰子訳
誰かがエディーに会いにきた 対馬 妙訳
深い穴 対馬 妙訳
自然淘汰 矢沢聖子訳
音楽との対決――リーバス警部の物語―― 延原泰子訳
会計の原則 駒月雅子訳
唯一ほんもののコメディアン 矢沢聖子訳
動いているハーバート 高儀 進訳
グリマー 東野さやか訳
恋と博打 東野さやか訳
不快なビデオ 松本依子訳
聴取者参加番組――リーバス警部の物語―― 延原泰子訳
キャッスル・デンジャラス――リーバス警部の物語―― 延原泰子訳
広い視点 松本依子訳
新しい快楽 延原泰子訳
イン・ザ・フレーム――リーバス警部の物語―― 延原泰子訳
自白 駒月雅子訳
吊された男 松本依子訳
機会の窓辺――リーバス警部の物語―― 延原泰子訳
大蛇の背中 東野さやか訳
サンタクロースなんていない――リーバス警部の物語―― 延原泰子訳
posted by 如月 at 21:23| Comment(3) | TrackBack(0) | L | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「でもやっぱり休暇を取りはしない。孤独は自由を意味する一方で、檻でもあるから。しかし、願わくば、周囲にいる人々が閉じこめられているほど厳重な檻には入りたくないものだ」260ページ
Posted by 如月 at 2005年01月29日 13:21
如月さん、こんにちは(^^)
これ面白そうですね。レビューを読ませていただき興味を持ちました。調べてみたら原書の"Beggars Banquet"のほうは残念ながら入手困難らしいので、私も邦訳で読んでみようかな。リーバス警部シリーズにも注目したいと思います(^^)
Posted by かよこ at 2005年02月11日 15:23
 あらら、"Beggars Banquet"ってハードカバーかカセットしか入手できないようですねぇ。増刷中だったらいいのですけど(^^;)

 翻訳になんやかんやと難癖つけたがるわたしですけど、この邦訳はいいですよ! オススメします。

 リーバス警部ものは読んだことがなかったのですけど、すっと入っていけました。リーバス警部もの、読まれたら感想聞かせてくださいね!(^^)。
Posted by 如月 at 2005年02月11日 20:12
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