2004年11月07日

『かすみ草にゆれる汽車』 内田善美

 ゲイルズバーグ・ストーリーズ四作品『かすみ草にゆれる汽車』『万聖節に黄金の雨が降る』『草冠を編む半獣神』『五月に住む月星』収録。

 年上の美少女に寄せる少年の初恋、むくわれない思い、死と喪失、逝ってしまった愛しい人、果てない夢が、緻密で繊細な筆致で描かれている。

 舞台となるのは、アメリカ中西部の架空の町ゲイルズバーグ──風の街──。時代は二十世紀初頭、第一次世界大戦前とされる。ローウェストのドレスに平たい帽子、複葉機が時代の雰囲気を伝え、郷愁を感じさせる。
 
 切なくて切なくて、ポロポロ涙がこぼれてとまらない。怖いほど気持ちが揺すぶられる。

 少女漫画と笑うなかれ! 並みの短編小説など足元にも及ばないほどの質の高さである。大切にしたい一冊である。

 ブログに『万聖節に黄金の雨が降る』のことを書いたあと、どんなお話だったか気になってたまらなくなり、この作品が収録されている『かすみ草に揺れる汽車』をアマゾンで探してみたら何と1700円! 最高で4500円の値段がついていた。

 これはちょっとと、オークションサイトへ。ちょうど2件出ていたので、ほかに清原なつののコミックスも2冊チェックして、夫に入札してもらった。こちらでのお値段はコミックスの原価380円を若干上回った程度である。

 内田善美は絶筆されたと伝えられる。その才能が惜しまれる。
posted by 如月 at 15:20| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ・コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おひさしぶりです。
「ゲイルズバーク・ストーリーズ」というのがあるんですね!
僕はジャック・フィニイの「ゲイルズバークの春を愛す」を読みました。

そうか「風の街」という意味だったんですね。
これは帰国したら絶対に読まねば。
Posted by at 2004年11月15日 01:47
ジャック・フィニイ「ゲイルズバークの春を愛す」この本の表紙絵は内田善美さんとのこと。そうか、この本だったのか!
http://www5.ocn.ne.jp/~k594k/page009.html
 
 作風も似ているようですね。ああ、また、カートに本が積み上がっていきます……。
 
 ほんもののゲイルズバーグはイリノイ州にあるそうです。アジア旅行の帰りによるのは――ちと無理?
Posted by 如月 at 2004年11月15日 09:05
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