2006年06月26日

『八十四歳。英語、イギリス、ひとり旅』清川妙 

 小学館 ISBN:4093876029

 新聞広告で見て興味を持ち、図書館の棚に並んでいるのを見て借りてきた本。著者が語学学校の個人レッスンを始めたのは五十五歳のときのこと。

今から思えば五十五歳という歳はなんと若く、未来をたっぷりはらんだ年齢だったことだろう。わたしは女学生の気分であった。


 このひとことは衝撃的だった。ともすれば自分の年齢を考えては「もう遅いんじゃないか」「今さら努力してもものになるはずないじゃないか」と悲観論に陥りがちな自分に渇を入れられた。

 個人レッスンを始めて一年後、著者は初めてイギリスへの旅に出る。そして六十五歳で今度はひとりでイギリスを旅する。巻末には旅年表が添えられており、毎年どころか、一年に二度渡英した年もあると記載されている。

 その間、著者の身の上にも大きな変化があった。それでも著者は旅を続ける。旅先での出会いと別れ、強まる絆に支えられ、二〇〇五年、八十四歳の著者はまた旅に出る。著者のしなやかな強さに驚嘆するとともに、励まされる思いである。

 ふくよかな体つきの著者がダイエットを志願していると告白されている場面では、それまでちょっと遠い存在だった著者が急に身近に感じられた。

 旅先での写真に心が温まる。出会った人々の笑顔があふれている。わたしも旅に出たくなる。

 手元に置いて何度も読み返したい本である。

とにかく、思い立ったが吉日、すぐにスタートしよう。そして、あきらめず、粘り強く、楽しむ余裕も持ちながら、すこしずつ望みを育てていこう。望みのかたちは人さまざまだが、育てていくうちに、確実に自分も育っていく。
posted by 如月 at 16:35| Comment(5) | TrackBack(0) | K
この記事へのコメント
こんにちは。
清川妙さんの本は、10年位前に、古典に少し興味を持ったのをきっかけに手にとり、それをきっかけにエッセイ集を何冊か読み、とても優しい気持ちになったり、励まされたり。

今回、如月さんが上記の本を読まれたということで、
私もまた清川さんのことを思い出しました。

以前読んだ中で、すごく心に残ってた個所がある作品があったので、先日、それを探し出し、早速図書館で借りました。
「今日が一番すてきな日」という本です。この中で、ストレスはお地蔵様に預けて という、とても小さな項目があり、以前も今も、私の心にピッタリくるのです。
今、途中まで読みかけてて、何だか気持ちが落ち着いてきます。最近、私、物事を悪い風に悪い風に考えてしまうことが多かったものですから、少し前向きな気持ちにさせてくれています。

何だか他にも色々借りたくなっちゃった。
如月さんが読まれたイギリス一人旅も、すごく興味をひかれましたので、借りてみたいと思います。

清川さんのこと、思い出させてくださってありがとうございます。
Posted by papi at 2006年07月22日 09:15
papiさん

 清川さんのこの本がとてもよかったので、他の本も読んでみたいなと思いましたが、あまりに多すぎて(笑)どれから読めばいいのか迷っていました。以前、どれか読んだようなのですが、題名を忘れてしまっています。

『今日が一番すてきな日』、題名も素敵ですね! ふと本棚をのぞくと、『今が一番いい時よ』というターシャ・テューダーの本が目に入りました。帯には「89歳からの計画表」と書いてあります。これも素敵ですよ! ターシャの写真と言葉がたっぷり載っています。年を重ねて素敵になっていく女性って似たところがあるのかな?

 また、図書館に行ったら、清川さんの本、探してみますね。お地蔵様の話、わたしも読んでみたいので。
Posted by 如月 at 2006年07月22日 11:47
清川さんのことを書いてる時に、テューダーさんのことも、思い出しました。彼女の生き方も素敵ですよね。テューダーさんのものもあれこれ読んでみたいです。
お地蔵さんの話は、本の見開きページだけで、他の人の目にとまるかどうかわからないほどの内容かもしれませんが、私にとっては心に残りました。
こういう個所が目に止まるなんて、私も、昔から、色々あるってことなのかもね〜。

図書館の本を検索していたら、清川さんの本の中に、
赤毛のアンや、若草物語のジョー、あしながおじさんのジュディ等のことが書かれている・・・多分、前向きに生きてる主人公たちを例にあげた内容になってるらしき本があるみたいですね。
こちらも興味があり、図書館に予約しちゃいました。

清川さんの本の中に、
Posted by at 2006年07月22日 22:40
papiさん

『八十四歳。〜』の中にも、アンやジュディのことをちらっとですが、書いておられました。何だか、同類みたいな気がして、嬉しくなりました。
Posted by 如月 at 2006年07月25日 16:10
「八十四歳〜」の中でも、アンやジュディのことをチラっと書かれておられたのですね。図書館に予約したら、22人待ちだそうで、届く日を楽しみにしています。
それにしても、清川さん、50代や60代でも、新しいことにチャレンジされてて、素敵ですね。見習いたいです。ああ、読むのが楽しみです。
アンやジュディ、ジョー、大草原のローラについて書いてある本は、「さあ、勇気を出してごらん」というタイトルで、昨日、図書館に届きました。
作品のことや登場人物、作家自身のことにも触れてあり、わくわくしてます。
清川さん、同類みたいな気がしますね。
Posted by papi at 2006年07月25日 20:34
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