2006年03月08日

『幻の女』ウィリアム・アイリッシュ 稲葉明雄訳 ハヤカワ・ミステリ文庫

"PHANTOM LADY" William Irish
ISBN: 4150705518

 妻のマーセラと口げんかになった株式仲買人スコット・ヘンダースンは、5月の夜の町にふらりと出ていく。「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」ある店に入ったスコットは、南瓜そっくりの帽子をかぶった女に出会う。女とショウを見物後、帰宅したスコットは、妻が彼のネクタイで絞殺されているのを発見した。

 死刑判決を下されたスコットを救うため、若き愛人キャロル・リッチマンは、唯一のアリバイ証人である奇妙な帽子をかぶった女を捜すが、なぜか皆、異口同音にそんな女は見なかったと証言する。あの女は「幻」だったのか?

 死刑執行の日は迫る。女はどこに? そしてスコットは?

 サスペンスの傑作。スリルだけでなく、文学的香気にあふれ、冒頭から読者を惹きつけ、最後までとらえて離さない。濃厚なニューヨークの街の匂いにむせかえりそうだった。

 アイリッシュがお好きだという方の気持ちがよくわかった。他の作品も読んでみたい。

 
posted by 如月 at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | G H I | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/14443979
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック