2006年01月27日

『ラスコの死角』リチャード・N・パタースン 小林宏明訳

"THE LASCO TANGENT" ハヤカワ・ミステリ文庫  ISBN: 4150748527
1979年度MWA最優秀新人賞


 経済犯罪対策委員会告発局の調査員、クリストファー・パジェットは、ラスコ・ディヴァイシズの株価操作をめぐる事件を調査していた。経営者ウィリアム・ラスコは大統領の友人であるが、実業界での評判は芳しくなかった。株価はどのように捜査され、金はどう動いたか。

重要な証拠を握っているかと思われた、ラスコ・ディヴァイシズの経理部長リーマンは、パジェットの目の前で轢き逃げされた。リーマンの自宅でパジェットは謎めいたメモを発見する。上司から圧力をかけられながらもパジェットは、委員会委員長補佐メアリ・ケアりとともに調査を続ける。

メモを頼りにオランダ領セント・マルテン島へ、ボストンへと駆け回るパジェットに危機が迫る!


 先に読んだ『罪の段階』に概略が書かれていたので結末は知っていましたが、それでも十分楽しめました。最近の作品と比べてハードボイルド色が強く感じられますが、簡潔ながら透徹した心理描写は後の作品につながるものがあるように思います。デビュー作とは思えないほどの完成度の高さに驚かされます。

 R・N・パタースンのファンなら必読の1冊、現在、入手困難であるのが惜しまれます。
posted by 如月 at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | P | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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